世界156カ国の環境に対応できるトヨタ新型ディーゼルに注目! (2/2ページ)

耐久試験は100万km以上と過酷な環境で実走試験

 開発のコンセプトは、もっと走りやすく、燃費が良く、静かでクリーン、そして絶対の信頼性と品質を持たせること。先代KD型からは、排気量を2.4リッター、2.8リッターとダウンサイジングしつつも、吸入ポートの改善で吸気量自体は10%アップ。従来のディーゼルは、吸気ポートで流れを曲げて、スワールという渦を起こして、シリンダー内の空気を強くかき混ぜながら軽油を吹き込んで燃焼させていたが、これは吸気抵抗を生み、燃焼の熱をシリンダー外に逃がしやすくもしていた。
GD型は吸気のストレスを減らしてたくさん空気を吸っておき、燃焼はパイロット噴射という主燃焼の前段階で、燃えやすい温度に燃焼室の温度を上げておく。これを外気温などの環境変化によらず一定にでき、メイン燃焼が正確に行えるようなった。燃焼してからも、酸素を無駄にせず、燃え残りを少なくするなど緻密な燃焼コントロールが実現した。

1GD型ディーゼルエンジン
1GD型ディーゼルエンジン

 燃焼で得た熱を制御する世界初の技術も搭載した。TSWIN(ティーエスウィン)という技術で、ピストンの上面に燃焼の熱を断熱して燃焼ガスの膨張力を持続させるとともに、燃焼後は素早い放熱で次に吸気した空気の温度を上げないコーティングをピストン上面に施している。これによって、ピストンから逃げる熱を30%も減らしている。

 ターボチャージャーも、トヨタ内製によるもので、タービンにフルバックブレードという高効率な形状を採用するなどして大幅な小型化を実施。最大回転数は23万回転/分だ。

 排ガス浄化は、欧州車やトラックで採用の多い、尿素SCR式で独自の改善や触媒の小型化も行っている。

 そして、圧倒的に凄いのが耐久性。SUVやピックアップトラックなどがメインだが、KD型同様100万km以上を想定しているのだ。トヨタの技術と良心を象徴するエンジンの一つといえるだろう。

 (撮影:森山良雄)

トヨタ公式ホームページ

画像ギャラリー