JEVRAシリーズ初めてのナイトレース決行!

JEVRAシリーズ初めてのナイトレース決行!

全日本電気自動車グランプリ初となる日没後の決勝レース

 10月17日(土)、千葉県・袖ヶ浦フォレストレースウェイで、JEVRA(全日本電気自動車グランプリ)シリーズの第5戦が開催された。このレースは、9月20日(日)に筑波サーキットで開催されるはずだったが、台風等の影響で筑波サーキットが使用できなくなり中止。この日に代替レースとして開催されることとなった。ちなみにこの翌日の18日(日)には第6戦(シリーズ最終戦)も行なわれるため、シリーズ初の2日連続でのレース開催となる。

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JEVRA5_100このEVレースは、テスラ ロードスター、BMW i3、日産リーフ、三菱i-MiEVといった市販のピュアEV、そして、エンジンを下して替わりにモーターとバッテリーを搭載したコンバートEV、さらには燃料電池車トヨタMIRAIが参戦する静かなレースである。2010年シーズンに開幕し、今年で5年目を迎えている。レース距離は50km~60kmとなる。どのEVもモード電費で計算すれば航続距離はそれ以上あるわけだが、サーキットで全開走行をしようとすると、50kmすら走りきることができず、スプリントレースでありながら、耐久レース並みのエコランでの駆け引きが行われる難しいレースである。

JEVRA5_104このシリーズで最もヒートアップしているのがEV-3クラス。モーター出力が61kW以上111kW未満というクラスで、日産リーフの参戦クラスとなる。シーズン通して16台の参戦があり、第4戦終了時で、金井亮忠選手(#72 チームNATS・日本自動車大学校リーフ)とレーサー鹿島選手(#88 東洋電産LEAF)が60点の同ポイントで並んでいる。

 といっても、金井選手は第2戦を欠場しているがそれ以外の全戦で優勝3回。一方の鹿島選手は、第2戦優勝で2位2回、3位1回という結果。金井選手に勝ってはいないのである。そこで鹿島選手はどうしても金井選手に勝ちたいというところだろう。

JEVRA5_101この日の袖ヶ浦周辺は朝まで残っていた雨のため、午前中に行われた予選セッションはウエット路面。この15分間の予選セッションでトップタイムをたたき出したのは金井選手(1分26秒172)であった。その金井選手がポールポジションを獲得した。

JEVRA5_105決勝レースは、16時45分にスタートとなった。この日の日没は17時3分ということで、すでに走行スタートから夕焼けの下でのレース。周囲はどんどん暗くなってきて、レースの後半は完全に暗闇の中でのレースとなった。ナイター施設の無い袖ヶ浦フォレストレースウェイでは、頼れるものは各車自らのヘッドライトのみという、このシリーズで初めてとなるナイトレースでの展開となった。

JEVRA5_103レース序盤はポールポジションスタートの金井選手、そして西島 真選手(#2 EVステーション・リーフ)、レーサー鹿島選手の3台のリーフが引っ張る形でスタート。その後西島選手が前に出てペースを上げていく。他の2台のリーフは「このペースではチェッカーを受けられないはずだ」と思いつつも「もしかして?」と西島選手との間隔を拡げられすぎないようにペースを落とすこともできず、という状況でレースを続けていく。予選6番手からスタートし、総合優勝を狙う金沢秀好選手(#39 ウェルマー☆ビルズ☆FT86EV)もペースを上げ、西島選手の独走を許すわけにはいかないということで、しぶしぶ重い腰を上げるかのようにペースアップ。コンバートEVを駆る金沢選手にとっては、レース後の普通充電でバッテリーをセーブして(この86コンバートEVは急速充電に対応していない)翌日のレースでも有利に持っていくために、できるだけバッテリーをセーブしておきたいと考えて、ペースを意図的に落としていたのだ。

 金沢選手は西島選手を早めにパスして、以後レースを引っ張って総合優勝を果たした。リーフ勢の2位狙いは、順当な結果で金井選手がこれを制し総合2位を獲得した。鹿島選手はセーフティモードに党つにゅうしてしまって、最後は何とかチェッカー、続くクラス4番手は西島選手だが、スロー走行で息も絶え絶えでようやくチェッカーフラッグの下を通過した。

JEVRA5_106金沢選手(写真中)は「いつものようにブッチギリで走ることを想定していた皆さんには申し訳ない・笑。今回はどのくらいの電気で走れるのかを見極めたいということで、いつものパワー半分で走行しました。おかげで十分バッテリーを残すことができたので、明日のテスラ ロードスターとの勝負も勝ちに行けます!」

 金井選手(写真左)は「今日は皆さんのペースが速くて非常に楽しかった。様子を見ながら、それでも相当セーブしながらレースは進めました。予定通りラスト3周で前に出てスパートをかけました。こんなに暗い中で走ることを想定していなかったですね。サインボードも見えないですし、コースも見えず、で結構怖かったですよ」

 鹿島選手(写真右)は「最初の予定ではトップを走っていって自分のペースでレースメイクをしようと考えていたんですが、西島選手が想定以上に速くて、さらにナイトレースになったことで計算よりも消費電力が多くなってしまってラストスパートをかけるどころか逆にセーブモードに入ってしまって。なんとか金井選手には勝ちたかったんですけど、今日はやりきった、というレースです」とコメントしてくれた。

JEVRA5_107このレースに続く最終戦は、18日(日)に開催となる。シリーズ初の2連戦となるわけだが、多くのトップチームが、レースの数日前にバッテリーの充電を終えて、バッテリーの熱をしっかりと冷ましてレースに臨んでいるだけに、前日の夜まで充電をしたバッテリーで戦うことになり、バッテリーの熱が下がらないまま、さらに今回よりも長い60kmを走行してのレースとなるだけに、注目の一戦となる。

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