日本が海外に積極的に推奨する「国際的な車両認証制度」のメリットは?

日本が海外に積極的に推奨する「国際的な車両認証制度」のメリットは?

ミラーレス自動車はグローバル新車認証制度のシンボルになる!?

 古くはドアミラーから、最近では流れるウインカーまで、様々なアイテムが新たに許可されてきた。いずれも国土交通省が深く関わる保安基準により許可されたものだが、日本国内で販売される自動車は、すべて保安基準を満たしている必要があるのだから、それも当然だ。しかしながら、こうした新しいアイテムの認可に国土交通省は消極的で、変化には外圧が必要と感じている自動車ファンは少なくないだろう。

DRL(デイライト・ランニング・ランプの略 日中でもヘッドライトを付けることで交通事故の抑止に繋がる行動)は、北欧などでは40%以上の事故減少に繋がるというデータがあるが、日本では検証確認が取れていない。そのため輸入車は、DRL機能をわざわざ仕様変更して登録しているのが現状だ
DRL(デイライト・ランニング・ランプの略 日中でもヘッドライトを付けることで交通事故の抑止に繋がる行動)は、北欧などでは40%以上の事故減少に繋がるというデータがあるが、日本では検証確認が取れていない。そのため輸入車は、DRL機能をわざわざ仕様変更して登録しているのが現状だ

 しかし、そうした先入観はなくした方がいいかもしれない。すでに各所で報道されているように、後方を確認するバックミラー(後写鏡)がカメラとモニターに置き換えるよう改正される模様だが、これは国連の下で行われている自動車基準調和世界フォーラム(WP29)による議論を受けての改正といえる。しかし、この一件についていえば純粋な外圧というよりは、日本政府が積極的に関わった結果である。

YouTubeより
スーパーGTのマシンなどは後ろがまったく見えないため10年以上前からバックカメラを付け、その画像を運転席の大きなモニターの映像で後方視認を確認している YouTubeより

 注目したいキーワードは、『IWVTA(International Whole Vehicle Type Approval)』だ。日本語での表現は「国際的な車両型式認証の相互承認制度」となるもので、2016年の創設に向けて、日本が中心となって進めている制度設計である。そもそもIWVTAというアイデアを2007年に提案したのは、ほかならぬ日本なのだ。

 国際的に車両の認証基準を共通化するということは、国や地域で異なっていた基準に合わせてローカライズする必要のある部品や設計変更が減るということであり、自動車メーカーは仕様を統一することで開発・生産コストが抑制できるし、認証する行政機関は審査作業が効率化できる。新興国での自動車普及においても、こうした効率化が役立つことは間違いない。

 もちろん、ユーザーメリットも少なくない。メーカーのコストが抑制されることから、全体として車両価格のディスカウントが予想される。また、日本国内に限った話でいえば、欧州からの輸入車は日本仕様にする際に変更点が少なくないといわれるが、そうしたローカライズにおけるコストアップや意匠変更といったデメリットが解消されることも期待できる。

トヨタより
トヨタより

 じつは、国際的な規則でいえば、レーンキーピングアシストのように高速域でハンドル操作を行うことは認められていない(10km/h以下の操作に限られる)。

いすゞホームページより
いすゞホームページより

 そして、先進安全や自動運転車といった機能もにらんだ改正も提案しながら、IWVTA実現に向けて国際的な協調を進めているというルール作りへの積極性は、日本の自動車行政が持つ一面でもあるのだ。もちろん、カメラを用いた後方確認のようにグローバルには高価な先進安全技術が、共通化した車両基準において、すぐさま必須になることはないだろうが、そうした先進技術まで視野に入れたレギュレーションの確立には大いに期待したい。

国土交通省:WP29 IWVTA専門家会議作業部会の結果について

  

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