マクラーレンが発表した未来のグランプリカー「MP4-X」とは?

マクラーレンが発表した未来のグランプリカー「MP4-X」とは?

未来のF1はキャノピーは必須になる方向!?

 2015年、期待とは裏腹に不本意なシーズンを送ったマクラーレン……。2016年はホンダとともに(というか主にホンダのPUの問題だが)、名門復活を強く望みたいところ。そんな名門マクラーレンから、MP4シリーズのニューモデルが発表された。といっても、2016シーズン用の新型F1マシンではなく、もっと先の未来を見据えたコンセプトカーで、その名も「MP4-X」だ。MP4-X

 コンセプトレースカーなので、現行のレギュレーションを無視した究極のレーシングマシンともいえる存在で、スピードと興奮、パフォーマンスを最優先しつつ、ドライバーの安全性や、環境性能にまで踏み込んでいて、なかなか示唆に富んだ設計になっている。いくつか特徴を見てみよう。

 パワートレイン系は、当然ながらハイブリッド。そして太陽電池パネルを装着している点は注目できる。そして、空力面では、可変ウイングを進化させたアクティブエアロを装着。現行ではDRS以外の可変空力パーツはレギュレーションで禁止されているが、究極のレーシングマシンを目指すなら、アクティブエアロは外せないところ。そしてエクステリアでは、コクピットを覆うキャノピーと、タイヤにはフェンダーが装着されている。ルーフがあって、フェンダーがあったら、もはやオープンホイールでもないし、フォーミュラカーではないのでは、という意見もあるだろう。MP4-X

 しかし、去年の日本GPの、ジュール・ビアンキの事故や、その前のフェリペ・マッサのヘルメットバイザーを突き抜けてサスペンションスプリングが顔面を直撃するなどの事故を考えると、近い将来、キャノピーは必須になる方向で間違いないのではなかろうか(F1のボス、バーニーは頑なに拒んでいるようだが)。タイヤとタイヤの接触も過去に重大事故を引き起こしているし、なによりエアロダイナミクスの点でも、キャノピーとフェンダーがつくことで、空気抵抗は大幅に低減し、F1のパフォーマンスアップに大きくつながるはず。

 またコクピットには、最新鋭の戦闘機のように、ヘッドアップディスプレイやヘルメットマウントディスプレイも用意。360度ビューを提供する。同時に、ドライバーのストレスや集中力、疲労度などもモニタニングされ、万が一のクラッシュの際は、衝撃・障害の情報も医療チームにリアルに提供……。このMP4-Xからは、マクラーレンが、近未来のF1に何が必要かを本気で考えていることが伝わってくる。

 我々も10年20年後のモーターレーシングを楽しむために、何を遺して、何を改善していくのがベストなのか、このシーズンオフに考えてみるのもいいかもしれない……。
(文:藤田竜太)

 MP4-Xの360度ビューは、こちらから!

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