ニュルブルクリングにおいて「クルマの味づくり」を続ける、トヨタのガズーレーシング。その活動の中から生まれたコンプリートカーブランド「GRMN」に最新作が登場した。それが「86GRMN」だ。

変更点は内外装、サスペンション、エンジンに至るまで多岐に渡る。ルーフパネルやボンネット、トランクをカーボン素材に置き換え軽量化&低重心化。クオーターウインドウやリヤウインドウまでアクリル製に変更されているあたり、トヨタの本気を感じさせる。インテリアはリヤシートを廃止し、2シーター化。フロントシートはレカロをベースに86用にチューニング。ダッシュボードや内装各所にアルカンターラを配し、高級感も演出している。
ボンネットをはじめとした至る場所にカーボン部品を使用される
カーボン生地がむき出しなボンネット裏。レーシーである
文中にもあるように、クオーターガラスもアクリル化し徹底的な軽量化を施している
一見、普通のリヤウィンドウにも見えるがアクリル製
。軽量化のためリヤシートは撤去
レカロと共同開発したシートを採用。既製品をベースに、86にマッチするポジショ ンへチューニングを行 なった
画像はこちら
RE-71Rはなんとこの86GRMNで開発を行なっていたというが、開発の遅れから先にRE-71Rがデビュ ーしたという経緯をもつ。ホイールはレイズ サスペンションはKYB製で、スプリングレートは若干アップ(数値は非公開)。ガチガチに締め上げられていないことがポイントだ。タイヤはブリヂストンのRE-71Rを装着しているが、なんとこのタイヤ、86GRMNで開発が進められていたとのこと。開発スケジュール上、タイヤが先に発売されてしまったという。
可変吸気機構が目を惹く水平対向エンジン。4000rpmから上で明確にパワーが盛り上がる特性で、気もちのいいスポーツユニットへ進化した エンジンは吸排気の変更や内部パーツを低フリクション化。クロスレシオ化した6速MTと4.3ファイナルを組み合わせている。生産はトヨタの元町工場で行われる。スバルからホワイトボディを、エンジンはTRD、その他GRMN専用部品を同工場に納入し、幻の名車LFAを作った職人が丹誠込めて造り上げる。日産2台ペースというが、その手間暇を考えれば、納得が行く。