2016年の国内最高峰レース「スーパーGT」の見所とは?[GT500編] (1/2ページ)

3メーカーの戦いはさらに激化!? 今年もスーパーGTの戦いがアツい!

 毎戦ドラマチックなレースが展開され、その競争のレベルは世界でも屈指とも言われる、日本でも最も人気を集めるモータースポーツがスーパーGT。2016年も非常に楽しみなシーズンとなりそうだが、その見どころを2回に渡ってご紹介しよう。150621_01まず、ニッサン、レクサス、ホンダという3メーカー3車種が参戦するGT500クラスだが、この見どころを知るには現在の規則を少々おさらいしておかなければならない。現在GT500クラスにはニッサンGT-RニスモGT500、レクサスRC F、ホンダNSXコンセプト-GTという3車種が参戦しているが、これらの車両は2014年から「クラス1規定」という規則で作られている。

 これはドイツを中心に開催されている、DTMドイツツーリングカー選手権とエンジン以外はほぼ共通の規則。車両の核となるのは、全車共通のモノコックと呼ばれるバスタブ状のもので、それ以外にも多くの部品が共用。ボディでは市販車のイメージを色濃く残すため、前後フェンダーや車輪中心線から下部のみが空力的な改良を加えることができる。

 つまり、共通する部分を多く作ることによって「ひとり勝ち」と費用の高騰を防ぐ規則なのだが、その中でもエンジンや、認められる部分での改良でライバルに対し差をつけるのがこのレースのポイント。ちなみに、スーパーGTでは近年市販車のエンジン搭載位置を守ることを重視しており、NSXコンセプト-GTは、本来FR用の規則のところ、特別にミッドシップレイアウト+ハイブリッドを採用。その分ウエイトを搭載しており、他2車よりも重量が重かった。  

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 この規則を踏まえてここ2年間のGT500クラスの戦いを振り返ってみると、最も規則に適応し、強さを発揮したのはニッサンGT-Rだった。シーズンに2回レースが開催される世界屈指の高速コース、富士スピードウェイは『ロードラッグ仕様』という空力パッケージが採用されるが、ここで特に強かったのがGT-Rだった。また、全体的に見ても4チームの総合力が高かったのも特徴と言える。

 2016年シーズンは、レクサス、ホンダとも弱点をつぶし、長所を伸ばし「打倒GT-R」を目指してくるはずだが、注目は車両の空力開発が凍結されるのではないか……? と予想されているところ。車両面で劇的な改良が見えないならば、より強力な体制を敷いてライバルに対してマージンを築いてくるはず。正式な体制は2月中旬に相次いで発表される予定だが、各メーカーの陣営予想を見てみよう。


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