通常、スロットカーは、ホンモノのレースができない子供や大人が、憧れてやるものがだが、年に一度、そのホンモノに参加していたドライバーが集まって、スロットカーレースに講じるのだった。題して、「レジェンドドライバー・スロットカーレース大会」である。
今年で9回目を迎えるこの大会は、幹事が、トヨタワークスドライバーにして、現在レーシング・コンストラクター「童夢」の鮒子田寛副社長という仰天ぶりだ。さらに、長谷見昌弘、大久保力、久保田洋史、ラリー界からは竹平素信というそうそうたるメンバーが集結して、童心に戻って、だけでなく、マジで大人げなくスロットカーを楽しむのであった。元はといえば、会場であるバンプロ代表の伴野正之社長の呼びかけで、MFC(Modelcar Racing Fan Club)が実働部隊として、中にはスクラッチメイドを含むマシンが用意され、1970年代に一斉を風靡した“富士グランチャンピオン・シリーズ”通称“グラチャン”の参戦ドライバーを集めて始まった。参戦ドライバーは、北野元、長谷見昌弘、鮒子田寛、高橋晴邦、関谷正徳、舘信秀、鈴木亜久里など、そうそうたるメンバーで話題を呼んだが、その後、参加できるドライバーの枠をさらに深く広くし、レジェンドドライバーが集まる「年に一度の夢のようなレース」として歴史を刻んでいる。今年用意された縁のマシンは例えば、津々見友彦には赤いチュードル・カレラ、鮒子田寛にはデサント・シェブロン、柳田春人といえばZ、という具合。
来年も、2月頃に第10回が行なわれる予定。いまからスケジュールを空けておいて、見物することを強くオススメする。お勧めする理由は、スロットカーが、実は本当のレースに大いに役立つからだ。その理由について、次回にお伝えしたい。
(写真:山口正己)
2016『Gold Star Drivers Slot Car Race』の様子は、BANPROホームページのこちらから。