ホンダと日立製作所がポータブル呼気アルコール検知器を完成!

非常にコンパクトだから乗車前にどこででも測定可能!

 悲惨な飲酒事故を撲滅させるために、ホンダと日立製作所は、共同でマウスピースなしで利用可能な呼気認識機能を搭載した、スマートキー対応のポータブル呼気アルコール検知器の試作に成功したと発表した。WEB CARTOP

 暖かくなり、お花見シーズン真っ盛り。こうした時期に気になるのは、一向に減らない飲酒運転。2016年3月23日未明、東京・世田谷区で6人が死傷した飲酒暴走事故なども記憶に新しいところ。すでに国内でも、運送事業者に対しては、乗車前にアルコール検知器で運転手の酒気帯び状態を確認することが義務付けられているが、一般ドライバーへのアルコール・インターロック(アルコール検知器と自動車のエンジンを連動させたシステム)は、まだまだこれからの課題とされてきた。

 技術的にも、これまでのアルコール検知器は大きかったり、ポータブルタイプでは、人間の呼気と、呼気以外のガスガスを判別する点に難があったり、測定結果が出るまで時間がかかったりといった課題があったが、今回、ホンダと日立が共同で開発した検知器では、これらの問題をすべてクリア。

c160324_002H

 検知器に息を吹きかけると、エタノール濃度を約3秒で高精度に判定。新設計の人間の呼気特有の飽和水蒸気を検知するセンサーを備えているので、呼気以外のガスを用いる不正利用対策も万全。なにより非常にコンパクトで、乗車前にどこででも測定できるのが大きなポイント。

 しかも、スマートキー対応なので、規定のアルコール濃度を検知した場合には、エンジンがかからない仕組みになっていて、検出結果は、車内ディスプレイに表示。アルコール・インターロックとしては、まさに理想的とも言えるシステムだ。ホンダと日立は、これから実証試験によりデータの収集を図り、本システムの実用化をめざすとのことだが、飲酒運転事故件数は、年間4155件(2014年いるので、こうした事故防止技術の開発普及に力を入れているメーカーは、もっと評価されてもいいと思う。

 もちろん、一番肝心なのは、一人ひとりのドライバーのモラルと安全に対する責任感であることは言うまでもない……。
(文:藤田竜太)


新着情報