【ライバル比較】新型スバルXVと国内外のライバル勢を徹底分析! (1/3ページ)

激戦区のミドルクラスSUV市場はライバル多数

 クロスオーバーSUVは、今もっとも熱いジャンルと言える。とくに新型XVが属するミドルサイズクラスは、車種が多彩なうえにそれぞれ高水準のパフォーマンスを持つ。そんなライバルに対してXVはどういった優位性を持つかを探っていこう


SUVをファッションととらえるユーザーが増え、それに呼応するかのように各メーカーからシティユースに特化したクロスオーバーSUVが次々にリリースされている。クロスオーバーSUVとは、文字どおり他ジャンルの特徴を融合させることで新たな価値をもたらしたクルマである。乗用車的な運転感覚や使い勝手のよさ、そして独特の個性がウケて、いまやSUVクラスの主流派となったわけだ。


とくに全長を4690mm以下としたモデルの人気は高い。国内ではXV(4465mm)を筆頭にトヨタC−HR(4360mm)、ホンダ・ヴェゼル(4295mm)、マツダCX−3(4275mm)が人気を博しており、そのほかにも三菱RVR、スズキ・エスクード、スズキSX4 Sクロスといったモデルが存在する。

輸入車に目を向けるとその数たるや国産を凌駕する。先頃新型が導入されたMINI ミニクロスオーバーをはじめ、BMW X1、VWゴルフオールトラック、アウディQ3など、その数は20台を超える。つまりXVが属するクラスは群雄割拠であり、なおかつ競合となるモデルは高水準の実力を持つ。しかもそれぞれに個性があり、かなり手強い。

 そんなライバルに対し、XVがどういった優位性を持っているか。さまざまな角度から考察してみよう。


走りのメカニズムをライバルと比較する


クロスオーバーSUVの多くは2WDを設定していて、売れ筋グレードは2WD仕様に集中している。購入予算が抑えられることや、オフロードを走る機会がほとんどないといったことも2WD仕様が選ばれる最たる理由と言えるだろう。

 XVは全グレードで駆動方式は4WD(スバル的にはAWD)となる。4WDというとオフロードを走破するための機能と思われがちだが、それだけに特化しているわけではない。駆動力を4つのタイヤに最適に伝達できるため、安定性が増すというメリットがあるのだ。足まわりの設定を引き締めずにすむので、質の高い乗り味を実現できるというわけだ。

 こうした特徴を考慮すると、4WDのほうが走破性、安定性など走りにおけるメリットが多々あり、能力が高いというのは事実だ。しかし、2WDと比較すると価格が高くなるうえに車重が重くなるため燃費が悪化する可能性は否めない。これも同一車種で4WDと2WDがある場合、後者が選ばれる理由なのだ。

  

走行性能ライバル分析① vs トヨタC-HR

 C-HRはあらゆる状況でドライバーが行なう操作に対する反応がよく、的確な応答性を発揮する。こうした乗り味は、新プラットフォームであるTNGAの持ち味のひとつである低重心が功を奏している。売れ筋となっているハイブリッドは、実用回転域の駆動力が高く、走りの洗練度でも1.2リッターターボを上まわる。30.2km/LというSUVクラスでトップレベルの燃費性能は、XVにとっては脅威だ。

 しかし、ハイブリッドの駆動方式は前輪駆動しか選べない。TNGAの恩恵により操縦安定性は相応に高いものの、重心の低さと4WDシステム、そしてX-MODEがもたらすXVの卓越した走りには及ばない。

[XVの優位性]

 SUBARU独創のシンメトリカルAWDがもたらす走りのよさは、新たなプラットフォームと組み合わされることさらに高い次元へと引き上げられた

  

走行性能ライバル分析② vs ホンダ・ヴェゼル

 ヴェゼルは車両重量がハイブリッドは1270kg、ガソリン仕様だと1180kg(ともにFF)とSUVにしては軽量な部類となる、そのため操舵感は機敏で、適度によく曲がり、緊急時に危険回避動作を行なっても後輪が踏ん張って不安定な挙動になりにくい。

 スポーティな運転感覚を味わえるが、マイチェンで改善されたとはいえ乗り心地は硬め。フラットな路面はいいが、荒れた路面では突き上げが大きくなる。その点XVは4WDの駆動力で安定性を維持できるため足まわりを引き締める必要がない。よって操縦性と乗り心地のバランスがいいのだ。

[XVの優位性]

 路面や走行状況に応じて前後輪に最適なトルクを配分するアクティブトルクスプリットAWDは、悪路だけでなく舗装路でも有効だ

走行性能ライバル分析③ vs マツダCX-3

 CX-3に搭載される1.5リッターのクリーンディーゼルターボは静粛性に優れ、高回転域の吹き上がりもじつに小気味いい。アクセルの踏み込み量が少なくても力強く加速するので、燃料消費量の抑制にも効果をもたらす。こうした特性がディーゼルエンジンの醍醐味と言える。

 ただし、従来のディーゼルエンジンよりも振動や音といったディーゼルのクセを抑えたとはいえ、ガソリンエンジンに慣れたユーザーにとってはやはり気になる。しかも高回転域の吹き上がりが鈍い。軽快さや洗練度ではXVの水平対向エンジンにアドバンテージがある。

[XVの優位性]

 新世代ボクサーエンジンは、出力性能と環境性能を備えている。熟成を究めたリニアトロニック(CVT)の効果も手伝って燃費性能も良好となる

走行性能ライバル分析④ vs スズキSX4 S-CROSS

 スズキのクロスオーバーSUVに採用される4WDシステムは、概ね電子制御化されておりドライバーが特別な操作をすることなく、4輪の駆動力が最適にコントロールされる。スズキ独自の「ALLGRIP」は、電子制御4WDシステムのほか、最適なトルク配分とハンドル操舵トルクアシストする車両運動協調制御システムも搭載されている。

 さらに走行状況に応じて使い分け可能なモードの切り替え機能も備わる。制御そのものは緻密でドライバーに違和感は与えない。本格的にオフロード走行をするユーザーにとっては魅力的な機能と言える。

[XVの優位性]

 X-MODEはエンジン、トランスミッション、AWD、VDCを統合制御し、あらゆる走行状況において常に安定した走りを実現するシステム

  


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