女性だけの本格レースシリーズ「競争女子」が面白い!

ル・マン ウイナーの関谷正徳さんが発起人

 競争女子、略してKYOJOというネーミングがいい。5月14日に始まった日本初(世界初)の女性ドライバーだけの本格レースは、13人の激しいバトルのなか、小山美姫選手が優勝を飾った。富士スピードウエイで今年3戦開催される予定のKYOJO CUPは、関係者の間で大いに盛り上がったが、レースファンだけでなく一般の人にも人気を呼びそうな戦いぶりだった。

 このレースは、トムスのスーパーGT監督を務める関谷正徳さんのアイディアで始まった。関谷さんと言えば、あのル・マン24時間レースで日本人初のチャンピオンに輝いた名ドライバー。現在はそのキャリアを生かしレース監督だけでなく、レクサスのドライバースクール校長を務めるなど、活躍している。

 今シーズンで5年目に入るインタープロト・レースをご存知だろうか。マシンの差を完全にイコールにして、ドライバーの技量だけで競争する、というコンセプトで始めたレースも関谷さんの発案だ。

 今回の女性限定レース「競争女子」について、関谷さんはこう語る。

「あらゆるスポーツには男女の区別が一般的です。それは男女に身体の身体能力が違うからです。たとえばマラソンでも最近の男子の世界記録が2時間2分57秒、女子が2時間15分25秒と10.1パーセントの差があります。100m走でも男子は9秒58、女子は10秒49と、これも9.5パーセントのタイム差になります。
クルマのレースの場合は、これまで男性と女性は区別されませんでした。それは同じマシンを使うからという理由でした」

「しかし現実のレースは、スーパーに買い物に行くようなものとは違います。高いGのなかで繊細なコントロールのいる競技です。そこにはほかのスポーツと同じように、身体能力の差が存在します。
男女を分けることで、そのスポーツがつまらなくなるわけではありません。ゴルフ、サッカー、バレーボール、テニス、フィギュア―スケートなどなど、女性の活躍するスポーツは大人気です」

 競争女子カップに使われているマシンは純粋なレーシングカーだ。すでに鈴鹿サーキットなどでは大人気のWEST製のVITA-01で、エンジンはヴィッツRS用の1.5リッターを採用している。軽量化されたマシンは相当に速く、富士スピードウエイを2分2秒程度で周回できる。ちなみにGAZOOレーシング86/BRZレース・クラブマンシリーズより5秒も速い。

 参加ドライバーはバラエティに富んでいる。CARトップレポーターやテレビの司会などでも活躍しているモータージャーナリストの藤島知子選手や、レースクイーンでありレーシングドライバーとしても活躍する、いとうりな選手、レースの司会でもお馴染みのベテランおぎねぇ選手、86のチューニングショップを経営する小泉亜衣選手などなど。いずれも本格的なドラテクを持つレーシングドライバーでもある。

 レースはこの先、第2戦は9月17日(日)、第3戦が10月29日(日)に行われる。いずれも富士スピードウエイだ。競争女子の模様はCS放送のJスポーツでも6月10日に放映される予定なので、注目してほしい。


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