【EVレース2017】第3戦富士はテスラModel Sがわずか0.192秒差で開幕三連勝!

開幕2連勝を飾った国沢選手に替わって桂選手がテスラを駆る

 開幕戦、第2戦で、テスラModel Sを駆る国沢光宏選手が2戦連続で総合優勝を修めた2017シーズンの全日本電気自動車レースシリーズ(JEVRAシリーズ)。全6戦で行なわれるシーズンの第3戦は静岡県にある富士スピードウェイで開催となる。レース距離50kmで行なわれるため、この富士スピードウェイでは11周でのレースとなる。

JEVRA今回は15台がエントリー(出走は14台)となったが、日産リーフのEV-2クラスと、BMW-i3 REX(レンジエクステンダー)と日産ノートe-POWERのEV-Rクラスの2クラスが最多で各3台ずつ。続いて三菱i-MiEVのEV-4クラスとコンバートEVが2台。ほかはすべて1台ずつの出走と、バリエーションは多いもののクラス成立が非常に少ないレースとなった。

JEVRA6月25日(日)は早朝から雨がシトシトと降っていたが、午前9時をまわったあたりから雨は上がり始めた。JEVRAの予選は、午前11時05分から15分間で行なわれたが、この時点での路面状況はハーフウエット、ライン上はドライ、と改善しつつある。

 真っ先にコースインしたのは、開幕2連勝を挙げたテスラ(#58 テスラ・モデルS P85D/EV-1クラス)。しかし、今回ドライバーは、アメリカでのレースに出場するため欠場することとなった国沢選手に変わって、桂 伸一選手が参戦となった。その桂選手がセッション序盤からタイムを狙いに行き、2分13秒780というタイムでポールポジションを獲得。トヨタ86をコンバートした86EVで参戦の金沢秀好選手(#39 ウェルマー☆ビルズ☆FT86EV/EV-Cクラス)もこれに続いてコースインし、2分27秒015のタイムで2番手グリッドを獲得した。

 そして5時間弱の充電時間のあと、16時25分、11周で行なわれる決勝レースがスタートした。この決勝レースまでも時折弱い雨が落ちてきていたものの、この決勝レースでも路面はドライのままでレースを迎えられることとなった。

JEVRA86EVの金沢選手が好スタートを決め、1コーナーへ真っ先に入っていく。しかし、この金沢選手のリードは長くは続かず、2周目の1コーナーであっさりとテスラの桂選手にパスされ、スタートで順位を上げたi3の石井昌道選手(#17 Tokyo Next Speed i3 REX/EV-Rクラス)、そしてリーフ30kWhのレーサー鹿島選手(#88 東洋電産 LEAF/EV-3クラス)の4台でレースを引っ張っていく。

 が、その後、このトップ集団に一気に襲い掛かった一台がいた。それが5番グリッドからスタートの飯倉雅彦選手のコンバートEVのミラ(#28 ウェルマー☆ミラEV/EV-Cクラス)であった。前戦では総合3位に入る実力があるミラは、3周目にトップに立つとラップリードを重ねていく。

JEVRA序盤にトップ集団にいたi3REXの石井選手は、じりじりと後退。変わって燃料電池車のミライの金井亮忠選手(#72 チームNATS・日本自動車大学校・ミライ)が5番手に浮上。3番手まで順位を下げていた86EVは、じつはまたしても予選時からトラブルが発生していたようで、時折大きくスローダウンし、しばらくするとペースが復活するといった状況で走行が安定しない。結局この86EVのトラブルは、今シーズン開幕からいまだ解消できてない。

JEVRAトップ勢はほぼこのまま、そしてレンジエクステンダーのEV-Rクラスでは、今回ボンネットをカーボンに変更してきたというノートe-POWERニスモの折戸 聡選手(#35 ePR NOTE NISMO)がポジションを上げてきて、総合5番手に浮上。

JEVRAこのままレースチェッカーかと思われた最終ラップ終盤。ラップ数に気が付いた桂選手がラストスパートをかけてきて、ゴールライン直前にミラEVをかわし、0.192秒差でチェッカーを受け、テスラの3連勝を達成した。

JEVRAレース後、桂選手は「『国沢が勝ってきて、桂が乗ったら負けた』といわれないよう頑張った」とコメントした。が、じつは最終ラップでリーダーボードを確認し、自身が最終ラップを走行していることを確認し慌ててスパートをかけたという。一方、チェッカー前にあっさりと桂選手の先行を許した飯倉選手も、まだ1周あると思っていたという。チェッカー後桂選手を抜き返しラストスパートとかけていたところ、後ろで桂選手がコーナーの観客に向かって手を振っているのを確認してレースが終わっていること気が付いたという。

JEVRA

 全6戦で争われるJEVRA2017シーズンも折り返し。続く第4戦は7月9日(日)に宮城県にあるスポーツランドSUGOで開催となる。


新着情報