新型ルノー ルーテシア&メガーヌ 2台のR.S.をワインディングで試乗 (1/3ページ)

荒れた道でも路面を捉え続ける「足」が魅力のルーテシアR.S.

 荒れた路面でもタイヤが地面を放さず、安定したグリップを提供し続け、気持ちよくアクセルも踏んでいける。さらには、気持ち良く旋回できるし、気持ち良くスポーツドライブを楽しむことが可能。その足まわりのしなやかさを基軸に評価するなら、このクルマは小さいながらも超ド級かつ超高額なハイパフォーマンスカーにだって勝てる! ルノーのスポーツシーンを支えているルノー・ルポールことR.S.の最新モデルであるルーテシアR.S.に触れた第一印象がこれだ。

ルーテシア
日本ではイメージが浸透していないかもしれないが、世界的にはルノーのモータースポーツへの力の入れ具合がかなりのもの。それはモータースポーツの頂点のF1から始まり、一般車に限りなく近い技術開発が可能なラリーにまで及ぶ。そして言わずもがな、そこで蓄積された技術がR.S.に導入されていくわけだ。

ルーテシア
先に結果を言ってしまおう。走り好きの方。とくにクルマとの距離感が近く自身の体のように扱えて、小さなボディを活かしてグイグイと曲がっていくホットハッチ的な運動性能が好きの方。さらには走りの良さに惹かれてドイツ車のコンパクト系パフォーマンスモデルを所有している方。このルーテシアR.S.に注目をして損をしない。

ルーテシア
冒頭で述べたように、何よりもそのしなやかな足が魅力。4つのタイヤが的確に路面を捕まえ続け、それぞれの足まわりのしなやかな動きを、ボディがガッチリと繋いで同調した動きを生み出す。その結果、姿勢変化はするのだがその変化速度と変化量すべてがコントロールされており、ハンドルから得られる手応えまで含めてドライバーが気持ち良く安心してスポーティドライブを楽しめるように仕上げられている印象。

ルーテシア
具体的には旋回中に車体が傾くロールの動きを取り上げてもそうだ。ハンドルを切り、素直にクルマが曲がりだすと同時に自然なロールが始まる。それは外輪側が少し沈み、内輪側が少し伸びていき、結果として車体が傾く。そこから本格的に曲がり込み、ハンドルからはドッシリとした手応えが帰ってくると同時にロール量が増えていくが、そのときにも外輪の縮みと内輪の伸び量が調和している。

ルーテシア

 もちろんその量はハンドルの切り込みスピードや車体そのものの旋回スピードなどにより変わるが、伸びが大きく浮き上がるようにロールするとか、縮みが大きく体が沈み込む感じで実際のグリップ感が掴み辛いなどということもなく、極自然に外輪と内輪が路面を掴み続けながら相応に旋回していく。

 当たり前のことしか書いていないと思われるだろうか。しかし、荒れた路面だとクルマごと跳ね上げられるコンパクト系のクルマであるルーテシアで実現しているから凄いことであるし、そもそもこの当たり前のことを「このレベル」で実現したことに拍手を送りたい。まるでボディがふた回りほど大きく、ホイールベースが長いクルマのごとく安定して曲がるのだ。


その要因を調べると、オイルダンパーのなかに、さらに小さいオイルダンパーを設けたような仕組みのHCC(ハイドロリック コンプレッション コントロール)という特殊ダンパーと、旋回時の要所で内側タイヤのブレーキを掛けてクルマの旋回力を保処するR.S.デフが効いているようだ。こうした背景でスポーツ性を高めているので、乗り心地が犠牲になっていないばかりか、逆に突き詰めて快適性まで向上したのでは? と思える乗り味を備えていた。

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