【WRC第9戦】トヨタ1-3フィニッシュで今季2勝目! ラッピは初優勝

エースのラトバラがトラブルに見舞われるもラッピが優勝を果たす

 2017年のWRCは1カ月のサマーブレイクを経て第9戦が開催。7月27日〜30日、フィンランド中部の学園都市、ユバスキュラを舞台にハイスピードグラベル戦のラリー・フィンランドが開催された。

 幸先の良いスタートを切ったのはMスポーツでフォード・フィエスタを駆るオット・タナクで、27日、オープニングステージとしてユヴァスキラの市街地に設定されたスーパーSSでベストタイムをマーク。しかし、翌28日のデイ2より山岳エリアで本格的なラリーが始まるとタナクは苦戦。代わって爆発的なスピードを見せたのが、3台のヤリスWRCで初の母国イベントに挑むトヨタ陣営だった。


まず、エースであるヤリ-マティ・ラトバラがSS3でベストタイムをマークするとサードドライバーのエサペッカ・ラッピが8本のステージでベストタイムをマーク。「ミスもなかったし、クルマも完璧だった」と語るラッピがデイ2を制覇する。ラトバラもわずか4.4秒差の2番手で続き、トヨタ陣営が1-2体制を形成。セカンドドライバーのユホ・ハンニネンも5番手でデイ2を折り返すなど、トヨタ陣営にとって幸先の良い出だしとなった。


翌29日のデイ3ではラトバラが6本連続でベストタイムをマークするなど猛追を開始。首位に浮上し、チームメイトのラッピを突き放しにかかる。しかし、「序盤は良かったけれど、突然、クルマが止まってしまった」と語るように首位を快走するラトバラがマシントラブルによりSS19でストップ。その日の走行を断念することとなった。


その結果、「ヤリ-マティ(ラトバラ)のことを考えると複雑な気持ちです」と語るラッピが後続に49秒の差をつけてデイ3を制覇。2番手にはMスポーツでフォード・フィエスタを駆るテーム・スニネンが続き、ハンニネンが3番手に浮上した。


そして、30日のデイ4では首位のラッピが余裕のクルージングを披露。「このような結果を残せるとは想像していなかったので本当に驚いている」と語るように、WRカーでの参戦4戦目のラッピが初優勝を獲得する。


2位入賞はMスポーツでフォード・フィエスタを駆るエルフィン・エバンスで「いくつかミスをしたので2位は叶わなかったけど初めて表彰台に立つことができて嬉しい」と語るハンニネンが3位入賞を果たし、表彰台を獲得。

 このトヨタの1-3フィニッシュに対して「エサペッカとユホにおめでとうと言いたい。私は23年前にこのラリーで初めて勝ったことを覚えているが、今日のリザルトも生涯で忘れることはないだろう」とチーム代表のトミ・マキネンが語れば、チーム総代表の豊田章男氏も「日本でテレビを通じて観戦していましたが、表彰式で青空の下にフィンランド国旗と日の丸がはためくなか、両国の国歌を聞けたことに感激いたしました」とのメッセージを寄せるなど、母国凱旋を果たしたトヨタ陣営にとっては歴史に残るシーズン2勝目となった。


廣本 泉 HIROMOTO IZUMI

JMS(日本モータースポーツ記者会)会員

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