【試乗】マイカーで乗りたい! 三菱ふそうスーパーグレート「単車」の快適すぎる走り

自動ブレーキやヒルホールドまでついて快適そのもの

 三菱ふそうの大型トラック『スーパーグレート』にトラクタが追加され、試乗会を行うというので乗ってきた。普通の自動車好きからすれば”ほぼ”縁のないトラクタ(ギョウカイ用語だと単車)ながら、私からすると「お金に余裕あればマイカーにしたい」という存在。実際、大きくない。

スーパーグレート

 全幅こそ2490mmあるものの、全長はトヨタ・タンドラより短い5685mm(ハイラックスが5335mm)。北海道あたりならコンビニまでの買い物にだって使える。ちなみに車両重量7トンなので、けん引装置を取り外して登録すれば(そんなことしたらトラクタの意味ないですが)、中型8トンで運転可能。

 私は大型免許+けん引免許のため、トラクタ買っても普通に乗れるし「大物を運んで欲しい」と頼まれたらアルバイトも出来る。クルマ好きとしちゃフェラーリ買うより目立つし、運転だって楽しい。もはやスピード出せる時代じゃないですから。ということで自家用車目線で評価してみた次第。

 まずスペック。搭載されているエンジンは1万700ccの6気筒から428馬力/2100N・mを発生する。428馬力こそ馴染みあるが、トルクのデカさに驚く!

 プッシュボタン押すや「ぐももも〜」と簡単に始動。ブレーキ踏んで、Dレンジを選ぶ。さらにエア式になっているパーキンブレーキを解除。

 アクセル踏むと軽々と動き出す。そらそうだ。車重1トンあたりのトルクが300N・mもある! 同じ車重1トンのフィットのトルクは119N・m。GT-Rですら338N・m。といっても大排気量ディーゼルって、空ぶかしでもエンジン回転の上昇が遅い。Dレンジでも空ぶかしでも回転の上昇同じです(笑)。

 ステアリングレスポンスが少しばかり「穏やかな」ことを除けば、けっこう普通に運転出来る。カンペキに効いているエアコン付き。オーディオ付き。眠くなったら横になって寝られるベッドまで付く。ブレーキ思い切り踏んだらABSでカバー。アダプティブクルコンまで標準装備とのこと。

 楽しみながら乗ってたら「コチラも試してください」ってんで30トンの”荷物”を乗せた3軸海上コンテナ(通称海コン)引っ張ってる車両を用意してくれた。日本で引っ張るトレーラーとして最大級。私の場合、クルマやモーターホーム引くのが目的で、海コン引っ張ることなど想定していなかった。

 しかもけっこうな登り坂の途中で止まり、走り出せという。MT車のトレーラーなら高度なテクニックが必要。大丈夫かと心配しつつ停止。Dレンジのままアクセル踏むと、そもそもブレーキホールドが付いているため後ろに戻らず。さらにATなので、踏むだけで走り出す。こら楽チンだ!

 丘の上でUターンし、同じ勾配の坂を下る。これも30トンの海コン引っ張ってるとテクニックが必要。新型スーパーグレートなら、自動速度制御装置をONにするだけで速度コントロールしてくれるのだった。下り坂でのオーバースピードによる事故は少なくない。これなら私でもイケそうです。

 続いて「直角車庫入れ」。海コンの直角バック、やったことない。改めて運転席から乗り出して後ろ見たら、信じられないほど長いですね〜。「ホン少し長いだけ」と割り切ってバックしたら、ウデは錆びておらず一発で入った。遠からずトレーラーバックも自動バック装置が出来るかもしれません。

 高速周回路で追従制御機能付きクルーズコントロールを試す。書き遅れたが、レーダーをセンサーとして使う自動ブレーキも付いている。すでに大型トラックには全車装着義務づけになってます。クルーズコントロール使って高速道路を走っていれば、追突事故起こす可能性は大きく減少することだろう。

 以上、トラクタの技術も近年大きく進んでおり、なかでも安全装備は乗用車並に向上しているころがわかった。車両価格はフル装備で2000万円くらいらしい。隠居して北海道に住んだなら、ぜひともマイカーとして乗ってみたい……と真剣に思いましたね。そうそう。ATは12速だそうです。


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