時代によって流行がある! 一世を風靡したクルマのテール形状4選

流行の形状には名前も付けられている

 クルマにとってデザインは重要なものだが、ただ感性に任せて自由にやっているというわけではなく、専門的に定番化されたディテールというのもあって、それをうまく取り入れたりもする。そうすることで、流行を取り入れたり、安心感などが得られる。たとえば同じくデザインが重要な洋服だと、文法化されたエリの形があったりするのと同じだ。今回は、リヤの形状を例にして定番化された形状を見てみよう。テール

1)テールフィン

 その名のとおり、魚のヒレのようなフィン形状を取り入れたもの。左右端の部分が縦にフィンのようになっているのが特徴だ。飛行機のようなイメージも入り入れることができ、伸びやかさを演出できる。往年のアメ車、そしてそのアメ車に影響を受けて初代クラウンなど、日本のセダンにも多く取り入れられたが、現在の目からするとレトロな感じがするのも事実。最新のクルマに取り入れられることはあまりない。

2)ダックテール

 アヒルのお尻のように、後端が跳ね上がっている形状を指す。ポイントはエアロを付けているのではなく、トランクなどのパネルと一体という点にある。それだから、ピョコンとした感じが出るわけだ。またハッチバックでは言わず、クーペなどのスポーツカーで言われることが多い。見た目もさることながら、その昔はエアロ形状の演出として多用されたし、実際に整流効果はあっただろう。昔のような大ぶりなものは見かけなくなったが、さりげないものは今でも採用されることがある。

3)ボートテール

 往年のアメ車。そして大胆なデザインがウリのイタ車に見られたのが、こちら。ボートのようにラウンドしたテールを指す。加えて位置を低くすると、さらに優雅な感じが演出できるのだが、直線基調が多い現在のデザインではなかなか採用するのが難しいテールではある。またトランクなどの収納性にも影響するのも難点だ。

4)ハイデッキ

 セダンのトランク部分をデッキとして、さらに高い位置にあるものをこう呼ぶ。ただ高いだけではもっさいので、ウエッヂシェイプと組み合わせて使われることが多い。ウエッヂシェイプとは、クルマを横から見たときにクサビのような後ろに行くに従ってボディが厚くなっていくことを指す。

 実際には厚くなっていなくてもラインで表現するのだが、その帰結点となるのがハイデッキ。矢のような疾走感を演出できたりする。1990年ぐらいに流行し、アルファロメオ155のハイデッキぶりには驚いたものだ。現在でもよく取り入れられるスタイルである。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

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レストア、鉄道模型(9mmナロー)、パンクロック観賞
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