意外と知らない&忘れがちな雪道走行の基礎知識7つ

非降雪地域の人だと意外に知らないことも

 冬になると、雪国はもちろん、普段雪の降らない地域でも、年に1~2回は雪が降って大慌てになることも……。そこで雪道のドライビングについて、おさらいしておこう。雪道走行の基礎知識

1)スタッドレスタイヤを履く

 まず肝心なのは、雪道で一番モノを言うのは、クルマではなくタイヤだということ。4WDだろうが、SUVだろうが、セダンだろうが、ミニバンだろうが、高性能で新しいスタッドレスタイヤを履いたクルマにはかなわない。

 だから雪が降ったら、問答無用でグリップ力に優れたスタッドレスタイヤを履くこと。逆にいえば、夏タイヤしかなければ、少々の雪でも走らないこと。関東の平野部などで、珍しく雪が降ったとき事故が急増するのは、「このぐらいの雪なら」と甘く見て、夏タイヤのまま走ろうとするから。

 4WDでも制動力は他のクルマと変わらないので、とにかく過信しないこと。タイヤチェーンももちろん有効だが、路面が白くなり出したら早めに装着。チェーンはFFなら前輪に、後輪駆動車は後輪に装着するので間違いがないように。4WDは四輪全部に……ではなく、FFベースなら前輪、FRベースなら後輪となるので、愛車の取扱説明書で確認しておこう。また、チェーンは必ずタイヤサイズにあったものを装着すること。

2)外気温に気を付ける

 すでに路面に雪がある場合、外気温度が3度以下になると凍結しはじめる可能性があるので、クルマの外気温度計や、道路脇の温度計表示などをチェックして、外気温が3度以下になったら路面の凍結を意識したドライビングに切り替えよう。

3)路面を選ぶ

 ひと言で雪道といっても、雪の状態で滑りやすさはかなり違う。圧雪路やシャーベット状の道は、比較的走りやすいので、できるだけこうした路面を選ぶ。ツルツルのアイスバーンは、非常に滑りやすい。昼間溶けた雪が夜に凍ってできることが多いので要注意。

 交差点などに多いミラーバーンは、タイヤのスリップなどで磨かれて、路面が鏡状になった道。急にブレーキが効かなくなったり、発進に手こずるので、タイヤ一本分でもラインをずらして対処したい。深夜から明け方に黒く濡れているような路面があったら、それはブラックアイスバーンの可能性も。ブラックアイスバーンもよく滑るので、慎重に通過するようにしよう。また、橋の上や日陰の道はとくに凍りやすいので気を付けたい。

4)急のつく操作はNG

 雪道では、急発進、急加速、急ハンドル、急停止はいずれも厳禁。速度控えめ、早めのタイミングで、ゆっくり操作する。これが基本。ただし、上り坂はノロノロ走るとかえって登れなくなってしまう可能性があるので、ある程度勢いをつけて、一気に上ってしまうのがコツ。

5)車間距離を大きくとって、車線変更はなるべくしない

 雪道は制動距離が延びるのが当たり前。また場合によっては、前のクルマがズルズル後退してくることもあるので、車間距離はとにかく長めに。また、雪道は轍ができるのが普通なので、車線変更がけっこう難しい。雪や氷の轍がある道では、できれば車線変更を控えめに。

6)視界の確保

 寒冷地では窓が曇りやすいので、エアコンは常にON。外気導入で、風向はデフロスターだと一番曇らない。リヤは熱線のスイッチを入れるのもいい。

 そして降雪時は、ライトオンが基本。大雪ならフォグランプも併用し、小雪でもスモールランプではなく、ヘッドライトで被視認性をアップ。寒冷地用にやや濃度の高いウォッシャー液を満タンにしておき、ガラスが汚れたら小まめにウォッシャー液を噴霧するのも大事。

7)乗車前に雪を落とす

 クルマに乗る前に、ルーフに積もった雪を払って、前後左右のガラスについた雪はきれいに落としておくこと。運転席に座る前に、自分の靴の裏についた雪をきちんと落としてから乗車するのも忘れず
に。あとは時間に余裕をもって、慌てずに、肩の力を抜いて、なおかつ油断せずに走ること。雪国以外の人は、不要不急の外出を控えることが、一番の安全対策かもしれない……。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
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