こんなに安くても中身はスゴイ! 日本が誇る満足度の高い激安新車5選

鉄ちんホイールでも最新の安全装備が付く中身重視のモデルも!

 今の日本車の低価格車はかなりすごい。昔の日本車の低価格車、とりわけ最廉価車は安めの価格帯にあることを価格表や広告チラシでアピールするためだけのものが多かったが、今は違う。メーカーや販売店も売る気ゼロの内容がスカスカの仕様ではなく、乗用車として普通に乗れる仕様の最廉価グレードが増えている。

 筆者は先代スバル・インプレッサG4の最廉価グレード(AWDの最廉価)のMT仕様を愛車としており、4年で10万キロほど走っているが、ファン・トゥ・ドライブ性も意外に高いなど、169万円のクルマとしては猛烈に満足感が高い。

低額車

 今の日本車の廉価グレード(低価格車)は意外と装備が充実しているし、車重の軽さや装備が簡素化されるがゆえにもたらされる独自の味わいが得られて興味深い。上級グレードよりもタイヤなどの性能が低くなる分、そのクルマ本来の乗り味がわかりやすくなるなど、上級車にはない味わいがある場合もある。ここでは、低価格ながら装備が充実していたり、意外と乗り味が良かったりする5台の国産車を厳選してみた。

1)トヨタ カローラアクシオ1.3X CVT(約152.6万円)

 厳密には1.5Xが最廉価となるが、最廉価より2万円だけ高い1.3Xに注目だ。タイヤは普通登録車最小クラスの14インチで、もちろんスチールホイール&キャップながらプリクラッシュセーフティシステムのSafety Sense C が標準装備。

 レーンディパーチャーアラート ・オートマチックハイビームやイモビライザーなど、現代のクルマに求められる安全デバイスはひと通り備わる。

 アイドリングストップがつかないのでJC08モード燃費は20.6km/ℓとパッとしない数値だが、車重は1050kgでカローラシリーズ最軽量だから、実燃費の良さはかなり期待できる。質実剛健どころか、小型セダンとしては十分すぎる内容。さすが世界のカローラだ。

2)トヨタ ヴィッツ 1.0F Mパッケージ(約118.1万円)

 トヨタのエントリー車はパッソで、価格もさらに安めの設定ながら乗り味はイマイチ。上級グレードでも乗り味は軽自動車の拡張版との印象が拭えないが、わずかに値段の高いヴィッツは基本的なポテンシャルが高いのでお買い得だ。ボディはWRCマシンのベースになったり、市販車でも限定車のGRで210馬力を使いこなせるなど、ヴィッツは潜在的な性能が高い。

 1.0FのMパッケージは、サスペンションなどは緩めの設定で、装備はレンタカーのように簡素。乗り味にWRCマシンらしさが感じられるワケではないものの、ボディ剛性の高さはピカイチであるなど、素性の良いクルマであることは感じられる。緩めの乗り味や安っぽい部分も、118.1万円で買えると思えば納得だ。あと5.4万円足せばToyota Safety Sense Cが備わり、現代的な安全性も確保できる。

※写真はハイブリッドF

3)ダイハツ ミライース B “SA III”(約90万7200円)

 日本の経済性と低燃費テクノロジーを極めたマシンが90万円で買えるという、奇跡のような一台。VSCやTRCはもちろん、衝突回避支援システムのスマートアシストIIIも備わってこの値段だから素晴らしい。

 速さやスポーツ性は一切追求していないが、JC08モード燃費で35.2km/ℓを達成した低燃費性能には副産物がある。走行抵抗を極限まで減らしたことで、下り道では異様に軽快で意外と走りが楽しめるのだ。乗り心地やシートの作りなど、安っぽさにゲンナリさせられる部分もあるが、実際に安いのだからすべて許せる。

4)スズキ アルト L レーダーブレーキサポート装着車(約91.5万円)

 軽量高剛性の新プラットフォームを採用。高効率のリチウムイオンバッテリーを搭載し、減速時のエネルギーで発電と充電を行うハイブリッドシステム的な「エネチャージ」を備えるなど、スズキの最先端テクノロジーが凝縮された入魂車がこんな値段で買えるのもまた奇跡だ。

 こんなに安い軽自動車なのに、アイドリングストップ中でも冷たい風を送ることができる「エコクール」が備わるなど、驚異的というほかない。軽自動車では珍しい(というかアルトのみ)の5速セミATを駆使して、性能をフルに発揮させるのは痛快だ。

5)マツダ デミオ13C 6速AT(約139.3万円)

 ロードスターなどのスポーツカー作りで培ったマツダの「人馬一体の走り」は、エントリー車デミオの最廉価グレードでも十分に味わえる。国産コンパクトカーで唯一の6速ATはダイレクト感もあり、多段化の恩恵も高い。

 アドバンスト・スマート・シティ・ブレーキ・サポート&AT誤発進抑制制御、スマート・シティ・ブレーキ・サポート、ハイ・ビーム・コントロールシステムなどを装備して安全デバイスも抜かりなし。ステアリングにはテレスコ、そしてLEDドアミラーウインカーも備わり、最廉価グレードとは思えない豪華さだ。G-ベクタリング コントロールも備わり、スカイアクティブテクノロジーの凄さを堪能できる。


マリオ高野 MARIO TAKANO

SUBARU BRZ GT300公式応援団長(2013年~)

愛車
初代インプレッサWRX(新車から28年目)/先代インプレッサG4 1.6i 5速MT(新車から8年目)/新型BRZ Rグレード 6速MT
趣味
茶道(裏千家)、熱帯魚飼育(キャリア40年)、筋トレ(デッドリフトMAX200kg)
好きな有名人
長渕 剛 、清原和博

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