なぜトラックやバスには「クリーンディーゼル」がないのか

ポスト新長期規制をクリアした乗用車を指す名称

 乗用車はクリーンディーゼルが大きくアピールされていますが、トラックやバスではそういうアピールがありませんね。それは「クリーンディーゼル」という言葉が、「排出ガスがクリーンなディーゼルエンジンを搭載したクルマ」という意味ではないからなんです。

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 じつは「ポスト新長期規制をクリアしたディーゼル乗用車」のことを、クリーンディーゼルと呼ぶことができるのです。つまり乗用車でなければダメなので、トラックやバスが「クリーンディーゼル」という言葉を使うことはできないわけです。

 ポスト新長期規制には、少し規制値が緩和された商用車用もあります。たとえばハイエースのディーゼルは商用バンにしか設定がなく、商用車のポスト新長期をクリアしているわけで、当然クリーンディーゼルを名乗ることができません。ハイエース・ワゴンにディーゼルが設定されていないのは、そういった事情もあるんですね。

 クリーンディーゼル車には、優遇税制があります。電気自動車やハイブリッド、プラグイン・ハイブリッドと同じように、自動車取得税と重量税が100%免除されます。ただし注意してほしいのは、クリーンディーゼルとはいっても、ガソリン車並みにクリーンなわけではありません。現在の日本車のほとんどは規制値に対して75%低減レベル、つまり4分の1になっています。ディーゼルのほとんどは規制値ギリギリなので、つまりクリーンディーゼルは一般的なガソリン車の4倍、有害成分を排出しているということになります。

 メカニズムとしては、乗用車もトラックやバスも、最新のディーゼルは同じようなものになっています。ブルーテックやDPFといった技術が使われています。

 その中で効率を高めるためにも、ダウンサイジング+高プレッシャーターボというのがトレンドになっていて、エンジンの重量が旧型比500kg以上も軽量化! みたいなことが起きています。ディーゼルにとってターボというのは排出ガス浄化システムの一部なので、高プレッシャー+高精度な制御を採用することで、浄化性能と効率を両方引き上げることができるのです。


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