新車購入時の「損しない」オプションとその決め方とは

下取りを考えればコーティングや有償ボディカラーはオススメ

 新車購入のため商談を進めていて悩んでしまうのが、セールスマンに「オプションはどうしますか?」と言われたとき。大昔のエアコンやカーオーディオがオプションだったころでは、「エアコンをオートにするかマニュアルにするか」や、「カセットテープ再生のみにするか、CD再生機能もつけるか」といったところまで悩んでいた。今はそこまでの必要はないが、それでも悩んでしまうのは確か。オプション

 しかも最近は、セットオプションとなるのが一般的となっている。たとえばトヨタC-HRでは、プロジェクター式ハロゲンヘッドランプが全車標準装備となっており、単純に「これを明るいヘッドランプにしたい」と、メーカーオプションのBi-Beam LEDヘッドランプを選択すると、LEDクリアランスランプ、LEDシーケンシャルターンランプ、LEDデイライト、LEDリアコンビネーションランプがセットでオプション装着となり、その価格も15万1200円と結構高額なものとなっている。

 このケースならまだ灯火類でまとまっているので良いほうだが、「なんでそれが……」という組み合わせのものも珍しくない。メーカーによっては、軸となるオプションに対して、いくつかの組み合わせパターンのセットオプションが用意されていることもあり、その場で結論(装着するか着けないか)が出せないケースなどもある。

 とくにメーカーの生産ラインで取り付けるメーカーオプションは、注文書にサインしたあとに、「やっぱりあれも欲しい(またはいらない)」といった追加変更はかなり面倒となってくる。

 どのようなセットオプションになっているかを商談までに把握するのはほぼ無理。そこで「オプションどうしますか?」と聞かれた時は、「明るいライトで、キーレススタートシステムになっていれば良い」と伝えれば、セールスマンがどのようなセットオプションがあるかなどを説明してくれるはずだ。

 またセールスマンに「どんなオプションをつけるのがいいですか?」と聞けば、自分の経験の範囲で、同じ車種でよく装着されるオプションを紹介してくれるはずだ。とくにメーカーオプションでは、セールスマンの勧めるオプションが装着された仕様を、ディーラーがあらかじめストックしていることがある。そのケースでは値引き条件が拡大しやすいだけでなく、納車までにかかる時間も短めになることが期待できる。

 だが、オプションについて無頓着になっていると、いらないオプションまでズラズラと計上されるので注意してもらいたい。

 ボディカラーも追加価格が必要なオプションカラーがある。ホワイトパール系やブラックマイカ系などの有償色は、追加で払った分はほぼ確実に下取り査定額がアップする。ボディカラーで下取り査定がより期待できるのは、黒とパールホワイト系とされている。

 逆に個性的な色や原色系は、女性の支持がよほど高いクルマ以外は、査定額が伸び悩むとされている。かなり多くの台数が売れた3代目プリウスでは、ミント系や赤系などのボディカラーが同年式同コンディションのシルバーなどに比べると査定額が伸び悩んでしまうとされている。サンルーフも中古車市場では人気のオプションだが、新車購入時にオプション装着すると納期がかかってしまうので注意してもらいたい。

 セールスマンが必ず勧めるものに、“ボディコーティング”がある。作業がメインとなるオプションは利益面でかなり魅力的なので、熱心に勧めてくることもあるが、下取り査定時にはかなり有効となってくるのである。今どきは地球環境の悪化などが進み、単純な水洗いや、ワックスがけでは落とし切れない化学的(汚染物質などによる)な汚れも増えている。そこでボディコーティングをかけておくと、1年や数年などの単位での再コーティング時には、いままでのコーティングを落とすことになり、その時に汚れだけでなく、小傷などもその時点で消すことも可能となる点でメリットは大きくなる。

 また、塗装面が軟らかく“洗車傷”が目立ってしまう黒系などの暖色系ではコーティングをかけることで洗車傷がなかったり、少なかったりすると、もともと中古車での人気色なので下取り査定では有利に働くものとされている。

 まずは自分だけで悩ますに、セールスマンに装着頻度の高いオプションを聞くこと。今どきのセールスマンは何でもつけさせるということはせず、お客の嗜好性を察知して、よりベストなオプションというものを勧めてくれるはずだ。とにかく“これだけは”という説明を受けたオプションは装着を前提に商談を進め、あとは予算次第で最終決定するようにしてみよう。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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