SUBARUに燃費測定で新たな不正発覚! その内容とは

測定条件のエラーを認識しながらもエラーなしとして処理

 完成検査での燃費・排ガス測定で揺れるSUBARUだが、また新たな問題が発覚した。これに合わせ、吉永泰之社長が会見を行ない、経緯の説明と謝罪を行なった。

 今回発覚した不正は2点だ。

①トレースエラーにも関わらず有効な測定と処理

 JC08モードで定められた運転方法で測定試験を行なう際、規定されている速度からの逸脱時間が許容されている範囲を超えていながらも、有効な測定として処理されていた。

 これは約1200秒(約20分)の間、さまざまな加速・減速・停止を行なうJC08モードの速度パターンがあるが、ラインの抜き取り試験ではモード試験に対してプラスマイナス2km/hまでの誤差が求められる。トータルで2秒以上、または1回あたり連続1秒以上逸脱した場合、許容誤差の範囲外となり測定データとしては無効となる。これをトレースエラーと呼ぶ。しかし完成検査員はこれをエラーがないとみなした、またはデータを書き換えるかで処理した。この事案は903件確認されている。

②湿度エラーにも関わらず有効な測定と処理

①と同様に測定する際、試験室内の湿度が30〜75%の範囲でなければならないという条件がある。JC08モード走行の前提となる条件を満たさない場合、測定データとしては採用できないとされている。これを速度エラーと呼ぶ。今回、①と同様に湿度エラーながらエラーがないとみなす、またはデータ書き換えで処理したことが確認された。この事案は31件確認されている。

 これらは国交省がスバルに対して立入検査を行ない、その結果の精査を進めてきたところ発覚したもの。SUBARUの社内調査はこれから行ない、調査結果は1カ月後を目処に発表されるという。4月27日に報告されたデータ改ざん台数903台に加え、6月5日に判明した対象台数927台(重複台数のぞく)を合わせ、不正の台数は1551台となった。

 吉永社長は「こういった処理が、データが確認できる2012年12月以降で、少なくとも927件確認されました。この内容を本日国土交通省に報告いたしました。昨年の完成検査員問題の発覚以降、問題の背景に当社の企業体質に関わる根深い問題があることを強く認識し、企業体質の改革に取り組んで参りました。それにも関わらず、国交省の調査を契機として、改めて過去に行われていた不適切事案が判明したことは誠に遺憾であり、お客様、お取引様、そのほかの関係者をはじめ、当社を取り巻くすべてのステークスホルダーの皆様に、さらにご心配をおかけすることについて、心よりお詫びいたします」と陳謝した。

 今後の対応については、「原因や動機などの詳細は、今後の調査によって明らかにしていきますが、定められた試験方法や、試験の条件を逸脱していたものを有効な測定結果として処理していたという点で、コンプライアンス(法令順守)上到底許容されない問題と認識しております。完成検査業務全般について、社外専門家により、独立性を確保した上で、徹底的な調査を行なっていく予定です。再発防止策についてもこれまでの延長線上の対策のみならず、社外専門家に行なっていただく調査の結果を踏まえて、検査に関わる組織体制の一からの見直しや完成検査にかかわる設備の刷新などにも踏み込んだ形で抜本的に検討して参ります」と語っている。

 また、一連の問題を受けての経営責任の考え方も触れ、「会社に宿る膿を出し尽くすことが喫緊の課題と考えます。これを確実にやりきるため、社長を辞するだけでなく、私は代表権を持たず、またCEO(最高経営責任者)職を新社長候補の中村に委譲することにより、本件を含む企業風土改革、コンプライアンス・CSRに専念することといたしました」と発表している。ちなみに、新社長の中村知美さんはCOO(最高執行責任者)を予定していた。

 今回問題となったのは、除外するべき調査結果をエラーがないものと処理するという調査段階でのものであり、品質・安全性には影響はないとしている。

 吉永社長は「事象は新たなものですが、根っこにあるものは同じ。企業体質、企業風土を変えていかなければなりません。本格的に変えていく活動をしていく前に膿を出しきらなければいけないと思っています。私自身、全役員、全社員で変えていかなければなりません」と語っており、今のSUBARUへの危機感とともに、新生SUBARUへの変革への思いが伝わってきた。変わるSUBARUの動向を見守っていきたい。


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