ついに国内導入! 燃費を17%向上させたホンダジェット・エリートの受注をスタート

日本のビジネスジェット市場の活性化に繋がるか

 ホンダがアメリカをはじめ、欧州などで販売している小型ビジネスジェット機の「ホンダジェット」。航続可能距離を向上させた最新モデル「ホンダジェット・エリート」を、日本で発売することを発表した。ホンダ・ジェットは主翼の上にエンジンを配置するという、独自の設計思想のもとに開発されている。胴体にエンジン支持構造をもたないため、クラストップの広い客室と大容量の荷物室を確保している。

 新型となる「エリート」は、従来モデルの2265kmという航続可能距離を17%向上。2661kmの飛行を可能とした。アメリカで例えればデンバーからニューヨーク、ロサンゼルス、マイアミ、シアトルへ。ヨーロッパではロンドン起点に、モスクワやイスタンブールなどへは無給油で飛行が可能だ。日本では、東京/大阪/那覇から日本国内全空港へ飛行できるほか、上海/ソウル/北京など東アジア主要都市へもノンストップで飛行可能だ。

 具体的には同サイズ機と比較し、208リットルサイズのドラム缶で150本分の燃料を節約を実現。また、エンジンノイズを低減させる新インレット構造を採用することで、静粛性を向上させている。そのほかにも、アビオニクスシステム(自動操縦装置や通信機器など)も最新仕様を搭載。安全性制御システムもさらに進化し、事前にモバイル端末などでフライトプランなどを用意しておけば、機内でWi-Fi接続しプランを機体へ転送することもできる。

 キャビンは、ラグジュアリーな空間が広がる。最大乗客定員は5名(乗員2名時)で、ツートーンのエレガントなレザーシートを採用した。また、オプションとしてスピーカー、業界初のBongioviオーディオシステムを用意。インテリアパネル全体を振動させることで、今までにない臨場感あふれるサウンドを楽しめる。エグゼクティブなビジネスパーソンがゆっくりとくつろぐことも、プライベート空間で仕事を進められる。

 ホンダジェットは、日本を含めて6地域67カ国で販売。2017年は43機を販売し、小型ジェット機の販売数No.1に輝いている。日本では、新たにホンダジェットジャパンを設立、個人ユーザーへの販売から整備、サービスを担当する。運営は、30年以上のビジネスジェット事業で実績のある丸紅エアロスペース。インフラ整備から周辺事業なども手掛けることが発表されている。現在、日本の航空局へ型式証明申請を行っている。2019年前半には取得し、順次納入を開始する予定だ。価格は2018年度モデルで、5.25ミリオンドル(約5億7000万円/1ドル109円で計算)だ。

 発表会にてホンダの八郷隆弘社長は、「ホンダのホームマーケットである日本にも導入してほしいという要望が多数寄せられていた。ホンダのチャレンジしている姿をみせていきたい」とコメント。

 また、ホンダエアクラフトカンパニーの藤野道格社長は、「既存のシェアを取る、置き換えるといったことではなく、新しい市場を作り上げたい。どうしたら新しい市場を作れるのか? ホンダが新規参入するこで、新しい交通システムの試金石になることが目標。日本のビジネスジェット市場規模はまだ小さく、全体で90機くらいしかない。現在だけを見ているのではなく、将来どういう姿にしていくか。そこに焦点を当てています。フリートによる機数の増加も大事です。機数が増えればカーシェアリングのようなサービスも実現できるでしょう。どんどん生産できれば、コストも下がっていきます。機数を増やすことができれば、ビジネスチャンスも広がります」と語った。

 従来モデルよりも燃費が良くなり、安全性なども高めた新型「ホンダジェット・エリート」。今後、日本のビジネスシーンで活躍し、たくさんのホンダジェットが大空を飛び交う日が来ることだろう。


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