家族全員が満足! 走りも実用性も1台で全部こなしたい人が選ぶべき究極のマルチカー5選

大人数乗車や荷物を満載しなければワゴンがベスト!

 クルマ好きのファミリーがクルマを選ぶとき、優先順位は人それぞれだろうけど、基本は乗り心地やエンジンの気持ちよさ、必用十分以上の動力性能、安心感と安定感たっぷりの操縦性、車内の静かさを含めた走行性能、そして居住性のよさだろう。しかし、ファミリーカーとして家族全員の満足も得られる必要があるし、ベビーカーなどが無理なく積め、休日のドライブでの大荷物を飲み込むラゲッジの積載性、シートアレンジ性の良さも見逃せないポイント。

 さらに家族の安全・安心に直結する、自動ブレーキを含む先進安全支援機能も必須の装備と言える。とはいえ、そんなクルマ好きファミリーのわがままの多くを満たしてくれるような都合のいいクルマなど、あるのだろうか? 答えは「あります」。

 走りと荷物の積載性、それを一段と便利にしてくれるシートアレンジ性の良さで選ぶなら、大家族で3列シートミニバンがマストというケースを別にすれば、ステーションワゴンが候補に挙がる。国産ステーションワゴンは今では少数派になってしまったが、走り、積載性、先進安全支援機能の良さ、満足度ならスバル・レヴォーグ、マツダ・アテンザワゴン、比較的手ごろな価格の輸入ステーションワゴンではVWゴルフヴァリアントがお薦めだ。

1)スバル・レヴォーグ

 スバル・レヴォーグは「ぶつからないクルマ?」というキャッチコピーで、国産車の先進安全支援機能をリードしてきたアイサイトの最新バージョンが装備されるが、理想はアイサイトセイフティプラスを追加装備すること。そうすれば、スバル自慢の全天候、オールロード対応のAWD、濃厚なエンジンフィールと走りの良さに直結する低重心を実現する水平対向エンジンの魅力に加え、国産車最上級の先進安全支援機能まで手に入れることができるのだ。

 もちろん走りの良さは一般道、山道、高速道路、悪天候下を含め、国産ステーションワゴンとしてピカイチ。サイズ的にも全幅1780mmと扱いやすい。

2)VWゴルフヴァリアント

 扱いやすいサイズと、走りの良さの基本となるボディ剛性、エンジン、トランスミッション、乗り心地、動力性能、そして先進安全支援機能で満足できる輸入ステーションワゴンが、VWゴルフヴァリアント。価格は293.9万円からとなっているが、走り好きな人には345.9万円からのハイライン、またはRラインがお薦め。

 後席はやや狭いものの、世界のコンパクトカーの基準に(ハッチバック)なっている走りはもちろん、燃費性能も文句なし。ゆったり走れば20km/Lも可能。12.3インチ大型ディスプレイによるフルデジタルメータークラスター(ナビ画面をメーター上に表示できる)を選択すれば、先進感も一段とアップする。

3)スバルXV

 エンジンの良さと悪路や雪道含むオールロード性能を重視するなら、スバルXVで決まりだ。個人的にはスバル車のベストと言いたいクロスオーバーモデルで、水平対向2リッターエンジンの濃厚なエンジンフィール、トルク感は国産2リッター級4気筒エンジンで最上の出来。しかも最低地上高200mmだから悪路の走破性もばっちり。ラゲッジルームの使い勝手で選ぶならレヴォーグだが、そこにあまりこだわらないなら、こちらである。

4)マツダ・アテンザワゴン

 しかし、子どもが大柄だったりして、後席のゆとりが欠かせないというなら、国産ステーションワゴンであればマツダ・アテンザワゴンが筆頭候補。クリーンディーゼルエンジンのスムースさ、振動のなさ、静かさ、もちろん燃費と軽油による経済性の良さ、そしてG-ベクタリングコントロールがもたらす安定感抜群の走行性能は、安全で楽しいだけでなく、車酔いのしにくさでも定評あり。ラゲッジルームの容量もばっちりである。先進安全支援機能も充実しているのがマツダ車、そのセダン/ワゴン系のフラッグシップモデルとなるアテンザである。

5)ホンダ・オデッセイ

 自転車など大きな荷物を積み、多人数乗車する機会が多いというならミニバンが適切だが、走りにこだわって選ぶとなると、車種はごく限られる。走り、乗降性の良さ、荷物の積載性の良さ、さらには先進安全支援機能の充実度でキラリと光るのが、ホンダ・オデッセイ。

 ライバルメーカーのミニバン開発担当者に「ミニバンの姿をしたスポーティカー」と言わしめた、ホンダらしい多人数乗用車である。ホンダ自慢の低床&両側スライドドアによって、2/3列目席の乗降性は抜群。3列目席を“床下”に格納することでどんなワゴンも敵わない、低くフラットで開口部に段差のない、使いやすい大容量ラゲッジルームが出現。

 しかも、7人乗り、2列目プレミアムクレードルシート仕様を選択すれば、キャプテンタイプの2列目席はビジネスクラスに匹敵する居心地、最大170度リクライニング可能なシートのかけ心地&寝心地に満足することができるクラス最上のシートを手に入れることができる。

その他

 もう少し予算があるというなら、メルセデスベンツのCクラスステーションワゴンC180(ビッグチェンジした最新型)や、ボルボXC40/V60もさまざまな要望に応える、輸入ファミリーカーとして理想的なステーションワゴン&SUV。どちらも世界最高峰の先進安全支援機能が装備され(CクラスはパッケージOP)、走行性能もずば抜けていい。とくにボルボV60は日本のリクエストに応えてくれた車幅となり(XC60の1900mmに対して1850mm)、ライバルを圧倒する空調環境の良さ、ダイナミクスと実用性を高次元で両立したスポーツワゴン的キャラクターが際立っている。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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