コンパクトカーを買う気が失せる! 燃費も走りもイケてるイマドキの実用軽ターボ車5選 (1/2ページ)

プチバンと呼べるほどの室内空間を持つモデルも存在

 最近の軽自動車をあなどるなかれ。とくにターボモデルは、価格はともかく、下手なコンパクトカーを凌ぐ動力性能、乗り心地、走りの質感を持っていたりする。ガラパゴスなサイズはしかし、駐車場や狭い道の取り回し性で絶対的有利で、当然、軽量コンパクトだから燃費性能にも優れる。

 もっと言えば、容量系軽自動車の室内空間はプチバンと呼べるほどのコンパクトカーを敵としない広ささえ備えているのだ。つまり、出来のいい軽ターボは、一家に一台のファミリーカーになりうる小さな大物と言っていい。

 ここでは走りも燃費もイケてる軽ターボを紹介しよう。

1)ホンダN-BOX

 ここで言う、走りも燃費もイケてるN-BOXターボとは、標準車のターボモデルを指す。58馬力のNAモデルに対して64馬力の動力性能のゆとり、より質感の高い走行感覚と静粛性の高さはカスタムターボと同一だが、乗り心地面でイケてるのがカスタムの15インチに対して14インチタイヤを履く標準ターボモデル。

 JC08モード燃費にしても、車重が約20kg軽いこともあって、カスタムターボの25.0km/Lに対して25.6km/Lとなる。室内、とくに後席の圧倒的な広さ、シートアレンジ性の素晴らしさ、乗降性、ラゲッジの使い勝手の良さなど、実用度でもほかを寄せつけない魅力がある。

 N-BOXの素晴らしさ、売れに売れている理由はほかにもある。それは先進安全支援機能の充実度。軽自動車にしてACC(アダプティブクルーズコントロール)まで用意している。渋滞追従型ではないものの、高速走行、ロングドライブを楽々快適にこなすことができる。

2)ダイハツ・キャストスポーツ

 実用軽のスポーツ度で群を抜くのが、ダイハツ・キャストのスタイル、アクティバに次ぐ第三のモノグレード車となるスポーツだ。ホットハッチを思わせる内外装のカッコ良さもさることながら、16インチタイヤ(コペンと同じタイヤもOPで選択可能)&スポーツサスペンションをおごる走りのこだわりはハンパなし。

 そう聞くと、乗り心地の固いスポーツモデルと思われがちだが、さにあらず。もちろん、スポーツグレードらしいソリッドな乗り心地を示すものの、段差などでのショックはより角が丸められ、むしろ心地よい硬さにしつけられている。とくに荒れに荒れた路面では、同じ道を直前に走らせたドイツ製コンパクトに迫るほどの ボディ&足まわりのしっかり感、不快感のない乗り心地(ガタピシしない)を示してくれたのだからびっくりだ。

 速度を上げていくと、ロール剛性の高さはスポーツを謳うモデルとして文句なし。ステアリングの手応え、応答性は抜群で、クルマとの一体感ある走りを実感できる。重心感もスタイルグレードよりより低く感じられるほどなのだ。 ちょっとおおげさに言えば、”4ドアのコペン”と表現してもいい(乗り心地や快適感はずっと上だが)。

 ターボエンジンはターボラグとは無縁。全域で豊かなトルクをスムースかつレスポンシブルに発揮し、日常からスポーティーな走りのシーンまで、じつに気持ち良く扱いやすい。ステアリングに設けられたパワースイッチを使えばエンジンレスポンスはさらに高まる。それでいて、JC08モード燃費は24.8km/Lとなかなかである。

3)ホンダN-BOXスラッシュターボ

 N-BOXほどの人気はないものの、N-BOXの低全高&低重心モデルというべきN-BOXスラッシュも走り、燃費性能、そしてインテリアカラーパッケージに至っては、デザイン面でも超イケてる軽ターボである。何しろ走りに関してはN-BOXより重心が低く、転倒防止のために足まわりを固める必要がなく、大径15インチタイヤ装着でも乗り心地は上質で快適なタッチを示す。

 動力性能はもちろん余裕十分。走りだしからウルトラスムースかつトルキーに加速し、長距離、長時間の高速走行でも1.3リッタークラスに匹敵するクルーズ&加速性能を発揮。ターボモデルはパドルシフトも備え、スピードコントロールのしやすさも文句なく、じつに走りやすい。

 OPまたは標準のサウンドマッピングシステム対応グレードは遮音・吸音材がおごられ、静粛性がより高く、上級車並みの走行性能と極上の音楽再生環境も得られるほど。JC08モード燃費は24.0km/Lだ。ホンダセンシングは未採用。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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