スバリスト阿鼻叫喚! S209が北米専売になったワケ (1/2ページ)

脱日本を宣言して新型S209が崩したSシリーズの常識

「えぇ~、マジかよ。ちょっとぉ~、待ってくれよぉ~」。

 北米国際自動車ショー(2019年1月14~27日、於:米ミシガン州デトロイト)で世界初公開された、SUBARU新型「S209」を見て、日本のスバルファンたちは天を仰いだ。なんと、北米専用車になったのだ。日本での発売について、SUBARU側は「現時点で発売の予定ない」と言い切ったのだ。

「S209」といえば、STIブランドとしての最上級量産車である。その本場は当然、日本である。確かに、STIブランドの基礎は、世界ラリー選手権(WRC)参戦を受けて熟成が始まり、近年では独ニュルブルクリンク24時間でさらなる研究開発が進むなど、日本国外でのプレゼンスが多い。とはいえ、群馬県太田市のSUBAR開発本部と、東京都三鷹市のSTI本部との連携により、四駆職人たちの匠の技が活かされた純和風スポーツセダンが、STIの真骨頂である。

 だからこそ、STI最上級の「S209」は、STI本来の良さをしっかり理解することができる日本のユーザーのための、日本専用車だったはずだ。そうしたSTIの常識を、新型「S209」は崩したのだ。

 長年に渡り1月開催だった北米国際自動車ショー(通称デトロイトショー)は、今回で幕を閉じる。アメリカ国内外からの出展者数が急減し、ショーとしての商品価値が一気に下がったからだ。

 近年、最新自動車技術は1月上旬にラスベガスで開催されるITと家電の世界最大級見本市「CES(コンシューマ・エレクトロニクス・ショー)」で発表されることが増えるなど、デトロイトショーの地盤沈下が続いてきた。来年からデトロイトショーは6月開催となり、野外での音楽コンサートを併催するなど刷新するというのだが、先行きは不透明としか言いようがない状況だ。

 そんなデトロイトショー最終回で、まさかのサプライズ。SUBARUは「S209」の脱日本を宣言してしまったのだ。


桃田健史 MOMOTA KENJI

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