レーシングドライバーをも唸らせた! 意のままに操れる本当に走りのいいファミリーカー4選 (1/2ページ)

走りとは無縁のイメージのEVがじつはいい!

 レーシングドライバーとしてのキャリアらみればスポーツカーだろうがファミリーカーだろうが4輪のタイヤで走る自動車という乗り物である以上「走りの良さ」を謳うならある条件をクリアしていることにこだわる。それは「意のままに操れる」ということ。そんな視点から納得できるファミリーカーを選んでみた。

1)日産リーフ

 ご存じリーフは100%電気駆動のEVだ。そんなリーフの走りがいいというのは意外に思われるかもしれない。リーフの走りはコーナーで極めて4輪の接地性が高く、加減速も思いのままにコントロールできるのだ。

 その理由はリーフのパッケージングにある。まず容量の大きな重いバッテリーパックは車両重量を大きくし、運動性能面では不利に作用するはずだが、リーフはそれを車体中央フロア下にレイアウト。それで極端な低重心化が可能となり、ロールやピッチングを抑えこむことに成功している。コーナーでの姿勢変化が少なく4輪が常に路面に接地している感覚があり、操舵に対してもリニアに反応してくれるのだ。

 また駆動が電気モーターであることも幸いしている。モーターは回転直後から最大トルクが引き出せるのでスロットルペダルの特性チューニングで、如何ようにもパワー特性を設定できる。リーフではスロットルペダルの操作量や操作速度に応じてトルク変動が即応し操りやすい。

 また駆動方向だけでなく、減速方向も同様でブレーキ力にディスクブレーキに頼る前にモーター回生による減速Gをブレーキペダルでコントロールできる。どんなに攻め込んでもブレーキが発熱し、フェードしてしまうこともなく制動力は安定している。

 パワー(トルク)、シャシー安定、制動力と走りの良さを支える3要素が揃っているのだ。

2)ホンダ・フリード モデューロX

 トールボディで人気の軽自動車を、そのまま小型車枠に拡大したようなパッケージングが特徴のホンダ・フリード。その丁度言いサイズ感や実用性の高さは大いに魅力的だ。しかし、走りに対しては安定性やドライバビリティなどプロドライバーを満足させるレベルではなかった。

 だが、そのフリードをベースにホンダ・アクセスが仕上げたモデューロ仕様は走りが劇的に変化! フリードの開発担当主査をして「本当はこういう風に仕上げたかった!」と言わしめるほどの走りに進化させられていたのだ。

 専用のサスペンションとホイールが採用され「フラットライド」「外乱感受性」「応答性」「安定性」「ハーシュネス」の各要素が改善され走りの質感が大幅に高まるとともにコントロールの自由度も高まった。

 トランスミッションの制御まで進化していてストレスを感じさせない走りとなっている。


中谷明彦 NAKAYA AKIHIKO

レーシングドライバー/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

中谷明彦
愛車
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趣味
海外巡り
好きな有名人
クリント・イーストウッド、ニキ・ラウダ

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