高額なJPNタクシーが導入できない地方都市を狙う中国EVメーカーの驚異 (1/2ページ)

地方のタクシーでは型落ちクラウンのハイブリッドが人気に

 長年“ニッポンのタクシー”として活躍し、日本国内で絶対的なクラウンブランドの構築にも貢献した、クラウン系(コンフォート、クラウンセダン)タクシー車両の後継車種として“JPNタクシー”が正式発売となったのは2017年10月23日。東京都内ではすでに多数のJPNタクシーが走っているが、東京の様子に比べればそのほかの地域では、ようやく本格的な普及が始まったばかりと言えるほどの状況となっている。

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 さらに細かく見ると、各道府県の県庁(道庁や府庁)所在地や、各道府県の主要都市に比べると、それ以外の地域ではさらに普及スピードが鈍化している。その理由のひとつにコンフォート系より100万円高いとされるJPNタクシーの車両価格がある。コンフォートですら都市部のタクシー会社が使用していた中古車で代替えを行っていた事業者も多く、JPNタクシーを新車で入れ替えることはかなり厳しいともいわれている。

 そんな状況下で、地方部などでとくに目立っているのが、ガソリンハイブリッド車のタクシー。山間部や農村部などでは2代目や3代目プリウスが圧倒的に目立っている。中古車として購入し使用しているケースが多いようだ。

 同じように中古車として購入した、先代クラウンロイヤルサルーン(ハイブリッド)のタクシーも増えている。都内の無線グループ系タクシー会社が23区内で、先代クラウンロイヤルサルーンのハイブリッド車を使用しているのも目撃したこともある。EV

 大手中古車検索サイトで調べると、平成25年式、つまり6年落ちで過走行気味(10万km前後)の車両だと、販売価格が150万円を超えないモデルが多数検索できた。ロイヤル系は個人タクシー需要も多いので、30万kmぐらいまではたいした手間もかからずに使えるようになっているとされているので、これらを購入してもまだまだタクシー車両として十分に使うことができ、しかもJPNタクシーの半額以下で購入することも可能となっている。都心や大都市ほど走行距離が伸びない地域では、ガソリン車であってもハイブリッドのため燃費が良いので、燃料費負担は一般的なタクシー車両燃料のLPガスと比べても大差がないとの話も聞く。

 近年ではLPガススタンドの廃業も続き、東京都内でもガススタンド空白地帯があるぐらいなので、ガススタンドまでの距離が著しく遠い地域では、ガソリンハイブリッドのほうが勝手はいいとの話も聞いている。EV

 東京多摩地域で登山客もチラホラ下車する鉄道駅前に降り立つと、黒塗りの先代クラウンロイヤルサルーンハイブリッドのタクシーばかりが客待ちをしていた。乗車して乗務員さんに話を聞くと、「メガバンクの地方支店で社用車として使われていたので、走行距離も少なめで程度もいいですね」とのことであった。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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