ノートかアクアかそれとも……? 国産人気コンパクトカー5台を徹底比較しベストバイを決定 (1/2ページ)

激戦区なだけに、それぞれが特徴あるキャラクターになっている

 扱いやすいサイズで燃費が良く、お値段も手ごろな国産車の代表格がコンパクトカー。5ナンバーサイズで運転も駐車もしやすく、ビギナードライバーからベテランドライバー、老若男女の誰にでもすすめられるクルマである。

1)日産ノート

 コンパクトカーのなかでも日産ノートは今、バカ売れしている1台。2019年5月の国産乗用車販売台数で2位につける人気ぶりだ(2018年4月~2019年3月期では1位)。突然売れだしたのには理由があり、後にセレナにも採用されて注目を浴びた、シリーズハイブリッドと呼べるe-POWERを搭載したのがきっかけ。しかも、アクセルペダルだけで加減速が行え、停止まで可能な走行性能が新鮮だったのだ。

 とはいえ、ノート自体は2012年8月デビューで、基本設計は決して新しいとは言えない。e-POWERに魅力を感じる人に薦められるコンパクトカーと言える。ワンペダル機能も、慣れるまでに時間がかかり、個人的にはそれが働かないノーマルモードで走るシーンが多かった。

 後席の居住性はなかなかで、身長172cmのボクのドライビングポジション背後(以下同)で、ひざ回りに27.5cmものスペースがある。後席に誰かを乗せる機会が多い人にもすすめられる。

2)トヨタ・アクア

 2011年のデビュー当時、世界最高燃費を謳った、トヨタのプリウスと並ぶハイブリッド専用車。乗り心地やクラスレス感より、とにかく燃費史上主義のコンパクトカーで、確かに経済的。

 20km/L台中半も夢じゃない。2018年4月の改良では、衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense」に、昼間の歩行者も検知対象に加えた「プリクラッシュセーフティ(レーザーレーダー+単眼カメラ)」を採用している。

 とはいえ、車体のコンパクトさから、後席はとくに広くない。後席ひざまわりスペースは約16cmと、コンパクトカーの平均値である。

3)ホンダ・フィット

 かつての国産コンパクトカーの王者がフィット。今でも独創のセンタータンクレイアウトによるパッケージ、室内の広さ、シートアレンジ性の良さ、荷物やペットの積載性&乗車性はピカイチ。走行性能は2017年の改良後は商品力が格段に向上。何しろ、全車、ボディ剛性を高めるためボディーの肉厚をアップ。

 Aピラー回りの整流、空気抵抗改善、燃費向上のためのエンジンのフリクション低減(最高37.2km/Lに!)、ダンパーも乗り心地改善のためチューニングされ、EPS(電動パワーステアリング)の応答性まで向上させているのだ。さらに静粛性向上のため、ダッシュボードにインシュレーターを追加するなど、マイナーチェンジの領域を超えた改善がなされているのである。

 とくにハイブリッド車の燃費の良さは抜群で、高速走行中心でも25km/L前後走ることもある。

 後席も広く、ひざ回りスペースは約26.5cmとクラス最大級。ただし、今、買いかと言われると、ちょっと待て、である。そう、今年の秋には6年ぶりのフルモデルチェンジが予定されているからだ。進化の度合いはこのご時世だから、一気に新しくなること必至。値引き優先ならともかく、長く乗るなら新型の動向を見てからにしたほうがいいだろう。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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