スープラを買うか? ライバル車を選ぶか? 意外に少ないトヨタ新型スープラの競合車とは (2/2ページ)

意外にもガチライバルはポルシェ!

 そうなるとクローズドボディのライバル車として浮上するのがポルシェ718ケイマンだ。エンジンを座席の後部に搭載する2人乗りのスポーツカーで、ボディサイズはスープラに近い。水平対向4気筒2リッターターボの性能は300馬力/380N・mで、価格は6速MTが680万円、7速PDKが727万2000円になる。スープラRZとほぼ同額だ。

 上級の718ケイマンSは2.5リッターターボを搭載して、350馬力/420N・mを発生させる。ただし価格は6速MTが869万円、7速PDKは916万2000円と高くなる。

 日本車は前述のようにスポーツカーの車種数が減り、スープラのライバル車も探しにくい。それでもボディサイズやエンジン排気量を考えると、フェアレディZがもっとも近いだろう。エンジンはV型6気筒3.7リッターで、4輪アルミキャリパー対向ピストンブレーキなどを備えるバージョンSが476万640円だ。

 この割安感は魅力だが、フェアレディZは発売から10年以上を経過している。走行性能から安全装備まで、今では設計の古さを感じる。

 そうなると結局のところ、選択肢は3リッターターボで340馬力を発揮するスープラRZと、2リッターターボで300馬力のケイマンに絞られそうだ。豪快な加速と良く曲がる操舵感、充実した安全装備などを重視するならスープラになる。

 一方、正確に反応するステアリング/エンジン/ブレーキ、滑らかな挙動変化など、緻密で上質なクルマ作りを求めるならケイマンが推奨される。ケイマンでは装備から内外装の色彩まで、ユーザーの好みに応じた細かなオーダーも可能で、自分だけの1台を作り上げられる。こういったポルシェのブランドを感じさせる販売方法も魅力だ。

 それにしても、スポーツカーの品ぞろえが乏しい日本車において、スープラは貴重な選択肢となった。価格は高めだが、ポルシェやBMWと比べたくなる魅力を備えている。


渡辺陽一郎 WATANABE YOICHIRO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ(2010年式)
趣味
13歳まで住んでいた関内駅近くの4階建てアパートでロケが行われた映画を集めること(夜霧よ今夜も有難う、霧笛が俺を呼んでいるなど)
好きな有名人
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