悩ましいトヨタ新型スープラの「3グレード」選択! 選んで正解なのはズバリどれ? (2/2ページ)

それぞれのグレードに対するオススメユーザーとは?

3)RZ(690万円)

 新型スープラの最上級グレードで、エンジンは直列6気筒3リッターターボを搭載する。SZ-Rの2リッターターボに比べると実用回転域の駆動力が高く、直列6気筒らしく高回転域の伸びも良い。最高出力は340馬力(5000回転)、最大トルクは51.0kg-m(1600〜4500回転)と強力だ。ノーマルエンジンに当てはめると4.5〜5リッター相当になる。

スープラ

 アルミホイールとタイヤのサイズは19インチで、走行安定性はSZ-R以上に高い。ブレーキユニットもブレンボ製に上級化した。車両重量の増加に伴って、乗り心地はSZ-Rよりも落ち着いている。

 RZはブレーキ性能を含めて安定性を総合的に向上させたから、高速道路上で危険に遭遇した時の安心感も高い。乗り心地も快適なので、高速道路を使った長距離移動の多いユーザーに適する。

スープラ

 価格はSZ-Rよりも100万円高く、75〜80万円はエンジンの性能向上(2気筒/1リッターのプラス)に使われる。残りの20〜25万円で装備を上級化した。

3グレードのおすすめユーザー

・SZ:価格が比較的求めやすいので、一般的にはチューニングやドレスアップを楽しみたいユーザーにピッタリ。その一方で、昭和〜平成スポーツカーの味わいも兼ね備える。感涙にむせぶオジサンが続出か!?

・SZ−R:性能的なバランスが最も優れている。4気筒2リッターターボ特有の軽快感があり、峠道の走りを重視するユーザーに最適だ。

・RZ:直列6気筒3リッターターボの高い駆動力と滑らかな吹き上がりが魅力。乗り心地にも、しっとりした落ち着きがあり、高速道路を使った長距離ドライブに適する。ラグジュアリー指向のユーザーにもマッチする。

ベストバイ

 3グレードそれぞれが独自の魅力を備える。つまり価格に基づく上下のヒエラルキーではなく、並列の関係にある。

 その上で推奨グレードを挙げると、一般的にはRZだろう。「直列6気筒3リッターターボ」は、BMWやメルセデスベンツには用意されるものの、今では得難いパワーユニットであるからだ。「スポーツカーなら一番高性能なグレードでしょう!」という見方も根強い。

 この希少性や先入観を抜きにして、スポーツカーの性能バランスだけで客観的に選ぶとSZ−Rになる。


渡辺陽一郎 WATANABE YOICHIRO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ(2010年式)
趣味
13歳まで住んでいた関内駅近くの4階建てアパートでロケが行われた映画を集めること(夜霧よ今夜も有難う、霧笛が俺を呼んでいるなど)
好きな有名人
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