出展メーカーも少ないし見どころナシ……はちょっと待て! 2019年こそ東京モーターショーに足を運ぶべき理由とは (1/2ページ)

時代の変わり目となる「新たなる」ショーの姿が見られる!

 2年ごとに開催される、クルマ業界最大の歴史と規模を誇るイベントといえば、東京モーターショーですね。リーマンショックや東日本大震災以降、やや盛り下がっている傾向は否めませんが、それでも前回の2017年には、9日間の開催で約77万人が来場しました。

 ただ、今年の開催概要が発表された途端、私の耳には「なんか今年、ヤバそうだね」とか、「目玉がないじゃん」とか、ネガティブな声が殺到。来年に控えた東京オリンピック/パラリンピックへの準備のあおりを食って、会場が4つに分割されてしまったことや、海外の自動車メーカーがほとんど出展しないこと、何を見ればいいのかがわかりにくいことなどが、その大きな要因のよう。つまり、みんなちょっと「今年のモーターショーって、なにするの?」と戸惑っている雰囲気をビシビシと感じるのです。

 もちろん私も当初は、海外ブランドがこぞって出展を見送るなか、大きな目玉となるワールドプレミア(世界初公開)モデルも少ないとの予想に、とても落胆していました。でも概要が明らかになるにつれて、少しずつワクワクの方が勝ってきました。これは、今までのモーターショーの概念を覆す、歴史的なビッグバンになるかもしれないっ! そう思えるようになったのです。

 そこで今回は、「今年のモーターショー、大丈夫なの?」と思っているみなさんも、知ったら絶対に行きたくなるに違いない、その理由をご紹介したいと思います。

 まず理由その1は、これまで「見る」ことがメインだったモーターショーから、自分で「乗る・体感する」ことがメインに変わること。柵で囲われたステージの上に展示してあるクルマを、黒山の人だかりに揉まれながら眺めるだけ、というモーターショーはもう終わりです。今年からは、近い将来に普通のノリモノになるかもしれない、いろいろな未来のモビリティに自分自身が乗って、その楽しさや便利さを実感できるようになります。

 たとえば、東京ビッグサイトのある「有明エリア」と「青海エリア」をつなぐ、約1.5kmの一本道「OPEN ROAD」。そこでは、2輪や4輪のさまざまなキックボードをはじめ、立ったり座ったり車椅子につなげたりして乗れるパーソナルモビリティ、屋根がついたクルマ型の超小型モビリティに試乗ができます。プロムナードを自由に行き来しながら、キッチンカーで美味しいグルメを食べ歩きしたり、スーパーカーやカスタマイズカーの展示を眺めたり。こんな楽しみ方は今までなかったですよね。

 そしてもうひとつ、ビッグサイト斜め向かいにあるTFTビルが会場となる「DRIVE PARK」では、最新乗用車を実際に運転できるプログラムが。全国産メーカーがイチオシのクルマがズラリとそろいます。こちらは予約が必要なので、東京モーターショー2019公式サイトから申し込んでくださいね。

 さて、理由その2となるのは、住宅メーカーや電気メーカーなど、自動車業界の枠を超えたさまざまな先進技術を結集させた、「私たちの未来の世界・暮らし」を先取りして体感できること。もはやモーターショーは、クルマだけのイベントではなくなり、それを使う人・使うシーンすべてを想定した未来予想図を提案するイベントになるのです。

 会場は、お台場のMEGA WEB。ここを「FUTURE EXPO」と名付けた未来の日本と仮定して、皆さんに「入国」してもらいます。すると、移動体験、都市、スポーツ、観光、未来のエネルギーといったさまざまなシーンで、あっと驚く未来体験が待ち受けています。自分たちの子どもが大人になる頃には、こんな世界になっているのかも!? なんて想像するのも楽しいし、時代に置いてけぼりにされないためにも、ぜひここで未来の世界を体感しておきたいですよね。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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