マークXにエスティマにキューブも消滅! いまトヨタや日産が車種整理を行うワケ (1/2ページ)

少子高齢化で縮小する日本市場の変化に対応している

 世界的な環境対応だけではなく、トヨタが販売網の再編を進めるなど、日本の自動車業界は大きな変革期となっている。とくに2019年は、ビッグネームのモデルが続々とディスコンとなり、その名前をいったん終了することが目立っている。トヨタでいえば、マークXやエスティマが2019年内に幕を閉じる。また、日産ではコンパクトワゴンとして一時代を築いた日産キューブの年内での生産終了も各所で報じられている。

 マークXについてはFRセダンという市場自体がシュリンクしているのでディスコンも止むなしといったところで、エスティマはデビュー当時としては国産大型ミニバンの雄だったが、アルファード/ヴェルファイアの登場により、そのサイズ感が中途半端に見えてきたのが原因のひとつだろう。コンパクトワゴンにおいてスライドドアを求める声に対応できないことが、キューブがモデルライフを終了する理由と考えられる。

 いずれにしても、後継モデルの話が聞こえてこない。つまり、国産向けのラインアップとして縮小するということだ。これは国内の市場規模が小さくなっているなかで、多品種を用意するのがさまざまなコスト的に難しいという面がある。生産だけでなく、販売や整備という点からもモデル数が少ないほうが対応はしやすく、部品などの在庫コストも軽減できる。

 また少子高齢化が進む日本の将来を考えれば、自動車販売網そのものを小さくする必要がある。とくにトヨタは販売店によって取り扱い車種を変えていたが、今後はそうしたことはせずに、どこの販売店でもトヨタの全ラインアップが購入できるような体制に変えている。つまり、同じカテゴリーに複数のモデルをラインアップする必要はなくなるのだ。将来的にはアルファード/ヴェルファイアのような兄弟モデルにおいても、どちらかが残れば済むという話になりつつある。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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