乗り心地や燃費にも影響! クルマのホイールバランスってなに? (1/2ページ)

ホイールバランスの調整作業を怠ると振動が生じる!

 工業製品で真ん丸なモノを作るというのは至難の業だ。とくにタイヤのようなゴム製品をきれいな丸に仕上げるのはじつに難しい。構造的にもベルトの貼り合わせ面もあり(ジョイントレスタイヤもある)、製造過程でどうしても重量のアンバランスが生じてしまう。そのため、新品のタイヤには「軽点」といって、タイヤ単体の円周上で一番軽い部分に黄色い丸印がついている。

 タイヤをホイールに組み付けるときは、この「軽点」を目安にして、ホイールの一番重い部分とされる、エアバルブの位置とタイヤの「軽点」を合うようにするのが一般的。タイヤの軽い部分とホイールの重い部分を組み合わせることで、釣り合いが取れるようにしたいからだ。しかし、タイヤの「軽点」は何g軽いかまでは明記されていないし、ホイール側もエアバルブの部分が一番重いという保証はない……。

 そのため、タイヤとホイールを組みつけたあと、ホイールバランサーで実際に回転させてバランスを取り、軽い部分には鉛のバランスウエイトを貼り付けて、重量のアンバランスを補正する必要がある。この作業をホイールバランスの調整という。もし、このホイールバランスの調整作業を怠ると、重量の不均一性から、回転中に振動が生じる。

 身近なところでいえば、洗濯機で脱水中に衣服がかたよると、洗濯機が振動し、場合によってはエラーが出て止まってしまう場合があるが、あれと同じようなことがタイヤでも起こると考えればいい。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

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