寒い時期は車内を暖めるだけ……なら冬場のクルマはA/Cボタンをオフにしたほうがいい? (1/2ページ)

車内の除湿を行いたいのならエアコンONは必須

 寒い季節、クルマに乗っているときぐらいは、温かく快適に過ごしたいもの。車内を温かくするには暖房をつければいい。だが暖房の場合、エアコンのコンプレッサーを回さずに温風だけを出すこともできる。

 オートエアコンのクルマでも、そうでないクルマでも「A/C」と書いてあるボタンを押せば、コンプレッサーのON/OFFが切り替えられる。このコンプレッサーが回ると何が起きるかというと、冷媒ガス(フロン)が循環し、熱交換器(エバポレータ)のなかで、冷媒が気化蒸発することでまわりの熱を奪って、室内気が冷やされる。同時に冷やすことで空気中の水分を結露させ、除湿する仕事もしてくれる。これがエアコンの仕組み。

「A/C」のスイッチをオンにしておくと、夏でも冬でもコンプレッサーが回り、冷媒が循環してエバポレータの出口は3~4度まで冷やされる。その冷たい乾いた空気をエンジンの冷却水の熱で温めて、設定温度になるよう調整して風を出すのがエアコンの仕事。

 一方、「A/C」をオフにして温風だけを出す場合、外気(外気導入)もしくは室内気(内気循環)を、エンジンの冷却水の熱で温めて温風を出すだけ。コンプレッサーを回さない分だけエンジンのパワーロスが減り、燃費に悪影響を与えず室内を暖めることができる。

 ただし、エアコンの除湿機能は働かないので、外気と車内の気温差が大きいときは、すぐに窓が曇ってしまう。とくに、人が大勢乗っているときや、雪や雨で濡れた服、傘などを車内に持ち込んだときは曇りやすい。そうしたときは、「A/C」をオンにして、除湿するのが一番効果的だ。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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