【試乗】「遊べる軽」のスズキ・ハスラーは「使える軽」だった! バカ売れ間違いなしの超絶進化 (1/2ページ)

新型スズキ・ハスラーはインテリアも走りも大きく進化!

 最初に言い切ってしまおう。オールラウンダーなスモールモビリティーを探しているユーザーにとって、新型ハスラーは絶対に“買い”であると!!

 2014年にデビューした初代スズキ・ハスラーは軽ワゴン×SUVを提案し、大ヒット。登場以来、6年間で48万台以上を販売したスズキの基幹車種となり、「遊べる軽」というジャンルを確立。街で、郊外で、観光地で、カラフルなボディーを見ない日はないぐらい売れている。

 そんなハスラーの2代目は、「遊べる軽」を大きく進化させた新型だった。エクステリアは一目でハスラーとわかるデザインだが、より個性的でタフネスさを強調している。とくにリヤ部分の角ばったデザインが特徴的で、もちろん、2トーンルーフを含む全11色ものボディカラーを用意。

 しかし、より新しさを感じるのはインテリアで、7インチから9インチに大型化された3画面分割のメモリーナビゲーション、その横の収納と連動した大胆なフレームデザイン(カラー変更可能)、セミベンチタイプから、運転席と助手席の間に便利なトレーを新設したセパレートタイプに変更した。かけ心地に定評あるワゴンR譲りの前席など、先代ハスラーのユーザーが思わず欲しくなるような新型らしさがある。

 パッケージも新しい。ホイールベースを35mm延長し、そのすべてを後席ニースペースにあてたことで、先代でも十二分に広かった後席はさらに広々。ラゲッジルームも、汚れや水気に強いワイバブル機能はそのままに、ストラップの新設でアレンジ性はさらに向上。床下収納も、ついに!? 樹脂製の脱着式ボックスに変更した(先代は発泡スチロール製だった)。

 もちろん、走行性能にかかわる部分の進化も著しい。NAエンジンとCVTを新開発し、ISG(モーター付き発電機)も改良。後席の突き上げ感が気になった2WDモデルのリヤサスペンションを、ITLからトーションビームに変更。サスペンションストロークも10%向上させていたりする。

 加えて、ボディの開口部まわりに、スズキ軽初の構造接着剤、高減衰マスチックシーラーを用いることで、ねじり剛性で約30%、曲げ剛性で約20%のUPを果たしているのである。

 それが乗り心地に効くことはもちろんだが、さらに乗り心地と燃費性能を高次元で両立した専用タイヤを新開発。トレッド部の角をミリ単位で丸めることで、かつてない乗り心地の良さを実現したという。

 そんな新型ハスラーの運転席に乗り込めば、先代比で前席ヒップポイントを乗降性向上のため7mm低めたことで乗り降りのしやすさはさらに良くなり、クッションの厚みを増したシートのかけ心地も文句なしにゴキゲンだ。

 一方、ヒップポイントを5mm高めた後席は、大きく開くドアのおかげもある乗降性の良さはそのままに、フロアからシート前端の高さが増したこともあって、太もも裏がしっかりとシート座面に密着する、いす感覚の自然で快適なかけ心地を実現していた。安全要請のために前席ヘッドレストが大きくなって、やや目障りではあるものの、前席に対してシートを高くセットしているため、前方見通し性は悪くない。

 後席膝まわり空間も圧倒的だ。身長172㎝の筆者のドライビングポジション背後に座ると、先代比+35mmちょうどの300mmもあるのだから、フラットフロアと合わせ、軽自動車とは思えないほどゆったりできるのだ。

 が、新型ハスラー最大の感動ポイントは走行性能だ。先代と違い、最低地上高を2WD/4WDともに180mmに統一しているのはともかく、アプローチアングルとデパーチャーアングルを高めた。さらに4WDの場合、グリップコントロール、ヒルディセントコントロールに加え、新たにスノーモードを追加。そもそもハスラーは雪国のスズキ・ファンの強いリクエストで登場したという経緯もあり、スキーやスノボが趣味の都会のユーザーはもちろん、雪国のユーザーにとっても大歓迎したい機能を満載し、悪路走破性をさらに高めているというわけだ。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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