クルマの使用頻度が少なくてもバッテリー上がりしにくく上がってもエンジン始動可能! 「メガライフバッテリー」の凄さとは【大阪オートメッセ2020】

数少ないリチウムイオン補機バッテリー!

 2020年2月14日(金)より16日(日)までインテックス大阪で開催された「第24回大阪オートメッセ2020」では、3号館にカーグッズ専門動画サイト「カーグッズフォーカス」(https://www.cargoods-focus.com/)のパビリオンを展開。同サイトへの動画掲載企業が数多く出展するなか、スマートビジョンは同社が取り扱う、12V鉛バッテリーの代替となるリチウムイオンバッテリー「メガライフバッテリー」を紹介した。

 リチウムイオンバッテリーは、パソコンや携帯電話にはもちろん、自動車にも電動車のモーター駆動用バッテリーとして多くの車種に採用されている。それは、他のバッテリーよりエネルギー密度と出力が高いため小型軽量化しやすく、かつメモリー効果と自己放電率が低くメンテナンスフリーといった、さまざまなメリットがあるからだ。

 ではなぜ、補機バッテリーにはほとんど採用例がないのだろうか? スマートビジョンの太田政男執行役員ディストリビューション事業部長によれば、「鉛バッテリーと比べるとどうしても価格が高いこと、そして単純に作っているメーカーが少ないこと」にあるようだ。

 そんな、数少ないリチウムイオン補機バッテリーが、「メガライフバッテリー」ということになる。

 その最大のメリットはやはり、軽さだ。会場にはもっとも小型な「MV-19R」と、その比較用にほぼ同等の外箱サイズを持つ40B19R規格の鉛バッテリーが用意されていたが、両者の重さを量ってみると、メガライフバッテリーは4.06kg、鉛バッテリーは8.14kg。その差約4kg、1/2にまで減ることになる。しかもこれは最小サイズなので、サイズが大きいもの同士ではより大きな軽量化効果が見込まれる。

 そのほか、前述のリチウムイオンバッテリー共通のメリット(「メガライフバッテリー」の場合は、年間放電率1%、満充電時間15分、寿命5〜10年)に加え、「メガライフバッテリー」はリン酸鉄リチウムを用いているため発火しにくいなど安全性が高く、また予備バッテリーを別回路で内蔵しているためバッテリー切れを起こしても上部の救援スイッチを押せばエンジンを始動可能。またバッテリーステーなどの交換・改造が必要ないことなども、その特徴に挙げられる。

 では、気になる価格はどうか。もっとも安価な「MV-19R」で、定価4万9200円(税別)。これは「高機能バッテリーの2〜3倍」(太田執行役員)というが、鉛バッテリーの寿命が1〜3年ということを考えると、クルマそのものの代替サイクルが早くなければ、充分にペイできる価格と言えそうだ。

 とはいえ絶対的な価格は高いため、現在の主用途はやはり、コストよりも絶対的な性能と軽さ、耐久性が求められるモータースポーツなのだとか。実際に、同じ3号館のマツダブースに展示されていた「ピレリスーパー耐久シリーズ2019」参戦車両の「HM Racersヒロマツデミオ」にも、「メガライフバッテリー」が装着されていた。

 筆者としてはこの「メガライフバッテリー」、乗る機会が月1回あるかないかのスポーツカーやスーパースポーツを所有するオーナーにこそオススメしたい。軽量かつ放電率が低く寿命は長く、満充電時間は短いといった特徴は、従来のドライバッテリーと液式バッテリーの良い所取りと言えるからだ。


遠藤正賢 ENDO MASAKATSU

自動車・業界ジャーナリスト/編集

愛車
ホンダS2000(2003年式)
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ゲーム
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