藤トモの東京ー長野の弾丸ドライブ旅【前編】 予測不能の路面ゆえに選んだオールシーズンタイヤの実力とは (1/2ページ)

アスファルト路ではスタッドレスよりもシッカリした感触

 みなさん、冬道のドライブってどんなタイヤを履いて出かけますか? 一口に冬道といっても、クルマをどんなシーンで使用するかによって、選ぶタイヤが変わってくることはなんとなくわかると思います。

 今回は豊かな自然の恵みと史跡に触れられる長野に向けて、観光ドライブ旅へと出かけることに。暦の上では3月上旬ですが、山間の地域はまだ雪が残っている場所もありそう。ただし、実際に行ってみないと、お天気や路面コンディションはわからないものですよね。そこで今回は、そんなシーンで頼りになるヨコハマタイヤのオールシーズンタイヤ「BluEarth-4S AW21(ブルーアース・フォーエス・エーダブリュー・ニーイチ)」を装着してお出かけしてみることに。

 乗用車に装着する冬用タイヤというと、日本ではスタッドレスが一般的ですが、欧州では外気温が7℃以下になる時期は冬用タイヤの装着が義務付けられる国や地域があり、そこに対応したオールシーズンタイヤがBluEarth-4Sです。欧州ならではの、街乗りからハイスピードな領域でコントロール性が求められる厳しい交通環境まで、さまざまな乗用車に装着されてきたタイヤがようやく日本に導入されたということで、個人的にもどんな走りをみせてくれるのか楽しみです。

 それというのも、タイヤというのは現在の技術では、すべての性能を網羅することは難しい。仮に作れたとしても、現実的な価格で提供することは困難です。つまり、自分がほしい性能を備えたタイヤを選ぶ必要があるのです。

 冬用タイヤをみると、スタッドレスが雪や氷の路面を走る性能に力を注いでいる反面、アスファルトの上を走るときのしっかり感やグリップ感、走行ノイズ、ウエット路面のブレーキの制動距離の面で、サマータイヤよりも劣ります。一方で、オールシーズンタイヤであるBluEarth-4Sはアスファルトの走行性能はサマータイヤに近い特性を備えています。なかでも、雨の日のブレーキ性能は、ヨコハマタイヤのサマータイヤのスタンダードモデル「ECOS ES31」と同等のウエット制動性能を実現しているとのこと。ただし、BluEarth-4Sは冬用タイヤ規制でも通行することは可能ですが、凍結路面での性能はスタッドレスタイヤに対して著しく劣るため、とくに注意が必要です。。

 では、実際にどんな走りをみせて、どんなメリットが得られるタイヤなのか気になるところ。さっそく、東京から長野に向かってレッツゴー!

 今回のドライブのおトモはイタリアからやってきた「FIAT 500X Cross」。愛嬌満点の表情とイタリアならではのデザイン性、それでいて、ハンドルを握ると走る楽しさを教えてくれる、いま注目のコンパクトSUVです。もちろん、今回のクルマの足もとには、215/55R17サイズのBluEarth-4Sが装着されています。

 ワタクシは雨女ということで(?)、見事にウエット路面で走行をスタート。500Xは1.3リッター直噴ターボエンジンとデュアルクラッチ式のトランスミッションが組み合わされていますが、機械部分がまだ温まりきっていないせいもあって、トルコン式のATと比べるとダイレクト感のある変速をみせる反面、低速の駆け出しでは車体を前後に揺する動きが見られます。その“身体が前後に揺すられる動き”でふと気がつかされたのは、このタイヤのレスポンスの良さ。スタッドレスは穏やかなタッチで、クルマがマッタリした動きになりがちですが、BluEarth-4Sはホイールの動きに対して、タイヤがレスポンス良く路面を捉えて前に出ようと反応する。つまり、「サマータイヤじゃないのに、しっかりしたグリップが得られている」ということ。

 次に、タイヤが路面にタッチするときの音に耳を澄ませてみる。サマータイヤと比べると、荒れた路面を通過するとロードノイズが少し大きめだと感じるものの、BGMを再生していれば気にならないレベルといえそう。クルマも徐々に温まって、首都高速の本線に合流。乗り心地はなかなか快適。その上で路面を捉えるタイヤのタッチはしっかりと感じ取れるもので、アクセルを踏み込むと車体がしっかりと前に押し出していくレスポンスのよさをもたらしてくれる。重心が高いSUV特有のフラツキ感を意識するようなところもなく、ブレーキ時の車速をコントロールしやすから、安心感が得られるみたい。

 関越道に入るころには、次第に雨が上がってきました。路面が乾いていくに従って500Xは、まるで水を得た魚のように活き活きと姿勢を変えながら駆け抜けていきます。フムフム、やっぱり力の伝わり方がスポーティ。この感触はスタッドレスタイヤでは得られないもの。


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