【試乗】ヨコハマのSUV用タイヤを公道とサーキットで試す! 車高を感じさせない走りに脱帽

SUV特有のロードノイズを軽減!

 高性能化するクロスオーバーSUVに対応した専用タイヤ、「BluEarth-XT AE61(ブルーアース・エックスティー・エーイーロクイチ)」が登場。ブルーアースといえば環境性能を意識したイメージが強い。今回は、操縦性と快適性を意識しつつ試乗することにした。

 テスト車はマツダCX‒30 AWDスカイアクティブD。装着サイズは215/55R18だ。SUVとは言え、クルマそのものの操縦安定性が極めて高いモデルである。腰高感がなく、基本的に不穏な動きをしないではないか! と、テスト走行以前の認識が先に立つ。

 首都高速の大黒PAでテスト車を受け取り、千葉県にあるサーキット、袖ヶ浦フォレストレースウエイを目指す。走り出してすぐに気がついたのは「直進安定性が優れている」ということ。ニュートラル付近のハンドリングは落ち着いており、轍の影響をほぼ受けない。ラウンドしたショルダーが段差を乗り越える際に過敏に反応しないからだろう

 しばし走行したのち、最大の美点に気がついた。それは「ロードノイズが低くなっている」ということ。いわゆるノーマルのCX‒30は高速走行中、後部ホイールハウス付近、Cピラー根本あたりからノイズが入ってくるのだ。この事象はより速度域の高い海外試乗会でCX‒30の開発陣にも話したことがある。開発者も認識しているロードノイズで、もちろんタイヤと遮音性に起因するのだが、それが耳に届いてこないのだ。

 より意識を集中すると、聞こえてくる位置が変化した印象である。車両後部からのこもり音ではなく、前方から真横のBピラーあたりから聞こえるが、発生する周波数の違いなのか、圧倒的に軽い音質で気にならない。このタイヤならば、ロードノイズが目立つその他のSUVでも恩恵に浴することができるだろう。

 また、路面の継ぎ目を通過した際のショックも滑らか。タイヤのたわみ、弾性感とそれをいかに吸収するかのダンピングが、サスストロークとうまくマッチしている。

 袖ヶ浦フォレストレースウェイに向かった理由は、制限速度以上の特性を確認するため。ここの路面は一般公道と同様のミューだから、クルマを含むタイヤ特性の実態が掴みやすいのだ。結論からいえば、全開走行で感じたのは「タイヤの剛性感の高さ」である。

 ステア操作に対するクルマの応答性、正確さはまるでセダン感覚。高速旋回でも車高の高さを感じさせないのは流石。インとアウトで異なる非対称トレッドパターンを採用するが、アウト側ショルダー部の溝を貫通させない「高剛性アクティブショルダー」の効果が大きい。結果、ブロックの倒れ込みを防ぎ、シュアなハンドリングを実現しているのだ。

 袖ヶ浦フォレストレースウェイの路面は一部濡れていたが、そこを通過してもグリップ変化は穏やかで、クルマの動きを予知しやすかった。

 ヨコハマタイヤのBluEarth-XT AE61は、SUVオーナーが求める性能を理解した上で開発された専用タイヤならではの魅力を感じ取ることができた。


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