売れないセダンの中でもさらにマイナー! 稀少さが逆に渋い現行セダン6選 (1/2ページ)

レアでありながら実力は想定外に高い1台も!

 時代はスーパーハイト系やハイト系ワゴンの軽自動車、SUV、クロスオーバーSUV、コンパクトカー全盛だ。2020年3月の乗用車販売台数では、1-2月の1位トヨタ・ライズに代わり、やっとトヨタ・カローラ(カローラススポーツ、ツーリング、教習車含む)が1位に返り咲いたものの、ハッチバックモデルのホンダ・フィットやトヨタ・ヤリス、日産ノート、そしてライズ、トヨタ・シエンタ、トヨタ・プリウスなどが依然強く、気が付けば国産セダンの影は極めて薄くなっている。

 なにしろ乗用車販売台数のベスト30のなかで、セダン専用車は30位のトヨタ・クラウンのみ(次にトヨタ・カムリ41位)というのが現状なのである。

 そんな今、もはやレアと言っていい希少セダンも存在する。そこで、オヤジ臭いか否かはともかく、むしろ新鮮にさえ感じられる超渋い!? 生き残りセダンたちをリストアップしてみた。

1)トヨタ・プレミオ&アリオン

 まずは、トヨタ・プレミオ&アリオンだ。カローラが3ナンバー化した今、希少なトヨタの5ナンバーセダンで、コンサバなプレミオとちょっぴりスポーティなアリオンをラインアップ。しかも、FFゆえに下手なFR上級セダンよりも室内に余裕があり、なんといっても純粋なセダンにして後席が格納でき、トランクスルー、それこそ車中泊も可能な実用性の高さが自慢だ。

 とはいえ、走りや装備、先進安全運転支援機能の充実度などで驚かされる新世代カローラと比較すれば、もはや地味すぎる存在だ。でも、上記の実用性や5ナンバーサイズにこだわり、あえて選ぶとしたら、その勇気に拍手を送りたい。

2)ホンダ・グレイス

 フィットが4代目の新型となったが、3代目フィットをベースにしたワゴン版のシャトルとコンパクトセダンのグレイスは現時点でそのまま継続販売されている。そのグレイス、ホンダセダンのエントリーモデルを受け持つが、国民車的位置づけの大人気車のフィットと比べると存在感(月販販売台数500〜600台)はかなり薄い。多くの人は、車名さえ思い浮かべられないのではないか。だが、内容はかなりいい。

 フィット3をベースにしていながら、独立したトランクを持つのはセダンとして当然だが、なんとインパネ、シート位置などフィットとは別もの。さらにHVモデルの走行性能はむしろフィット3 HVより上と言えるほどで、レアでありながら、実力は想定外に高い1台と言えるのだ。

3)スバル・インプレッサG4

 スバルのインプレッサはそのスポーツが人気で、車高を高め、Xモードを用意した本格クロスオーバーモデルの派生車、XVもまたアウトドア派などに支持されている。だが、そのセダン版のG4となると、いきなり地味なレアモデルとなる。

 もちろん、水平対向エンジン、シンメトリカルAWD、アイサイト&アイサイトツーリングアシストといった最新のスバルの技術が凝縮されているから、オールマイティなコンパクトセダンとしての価値は極めて高い。月販330台程度と、かなりレアな存在ゆえ、むしろ新鮮な1台と言えるかもしれない。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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