クルマの魅力不足? 時代のせい? 意欲作なのに一代で消えた悲しき軽自動車5選 (1/2ページ)

コンセプトは正しかったのに登場するのが早すぎたモデルも!

 何世代にもわたりフルモデルチェンジを繰り返し、確固たる地位を築き上げるモデルがある一方で、後継を持たずに、一代で消えてしまったモデルもある。そもそも新しい車名を与えられるということは、新ジャンルの開拓や挑戦というチャレンジングなモデルであるため、必ずしも成功できないことは織り込み済みなのかもしれないが、それにしても一代こっきりで終わってしまうというのは寂しいものだ。

 ここでは、軽自動車の歴史から、一代限りで消滅した不遇のモデル5台を振り返ってみよう。

1)ダイハツ・ネイキッド

 まずは、間もなくデビューするニューモデル「ダイハツ・タフト」とコンセプトが似ているということで久しぶりに名前を聞く機会の増えている「ダイハツ・ネイキッド」から紹介しよう。1999年に誕生したネイキッドは、いまでこそクロスオーバーSUVに分類することができるが、当時はどんなカテゴリーに入れていいのかわからないというくらい個性的なモデルだった。前後ドアともに外ヒンジで、スクエアなスタイリングは軍用車的なテイストで、いかにも機能性を感じさせるもの。

 当時は熱狂的なファンには支持されながら、奇抜な印象もあったが、2020年目線ではけっして新し過ぎる感じはない。さらに、バンパーコーナーやグリルなどは簡単に交換できて、気軽にカスタマイズが楽しめるというコンセプトは、現行コペンに受け継がれている。コンセプトは正しかったが、登場するのが早すぎたゆえに一代限りとなってしまった、まさしく不遇のモデルだ。

2)ホンダ・ゼスト

 いまでこそN-BOXの大ヒットにより軽自動車界のメインストリーマーとなっているホンダだが、ほんの10年前までは市場のなかではニッチな存在だった。2006年に誕生した「ゼスト」は、そうした時代のホンダ軽自動車を支えた一台だ。

 初代フィット譲りの2プラグの燃焼室を持つSOHCエンジンは、その構造がゆえに軽自動車としてはビッグボアとなり、660ccの排気量に収めるために超ショートストロークとなっていたのが特徴。だからといって高回転指向ではなく、むしろビッグボアらしいトルク重視の味つけとなっていたことが印象深い。

 スタイリングでは、あえてフロントのナンバープレートを中央に配置することで軽自動車らしからぬ顔つきとしていたのも記憶に残るが、2008年のマイナーチェンジで追加設定されたカスタム系の「ゼストスパーク」では軽自動車にありがちなオフセットしたナンバー位置になるなど冷却性能とのバランスがあったにせよ少々迷走感もあった。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
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