仁義なき同門対決! トヨタの最新SUV「ハリアー」vs「RAV4」は街乗りか悪路かの単純な問題じゃなかった (1/2ページ)

同じミッドサイズのSUVだが使い勝手面や装備は大きく異なる

「日本で育ったクロスオーバーモデル」と開発陣自ら日本市場の重要性をアピールする、トヨタの人気クロスオーバーモデルがハリアー。その新型は、2019-2020日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したRAV4と同じトヨタ最新のGA-Kプラットフォームを使う、ある意味、兄弟車。

 誰もが、ひと目でハリアーはクーペライクな乗用車的スタイリングから、あるいはこれまでのハリアーのキャラクターから、都市型クロスオーバーモデルだとわかるだろう。

 一方、RAV4は現行型の5代目になってクロスカントリー志向を強めた。アドベンチャーグレードが象徴するように、世界初のダイナミックトルクベクタリングコントロールを採用するなど、アウトドア、悪路走破性にこだわったオールラウンダーへと舵を切っているのが特徴であり、見た目の印象とも合致する。

 ならばSUVブームのなか、しかしほとんど都会でしか使わず、悪路を走る機会などめったにない、高級ホテルのエントランスに似合う高級感あるSUVが欲しい……というユーザーならハリアー、走りそのものやアウトドアを楽しむ機会が多く、またアウトドアへの行程で悪路に遭遇するケースもままある。あるいは、悪路を走破するのが快感!! というならRAV4を選べばいい、という単純な結論になりそうだ。だが、じつは同じプラットフォームを使うトヨタのミッドサイズのSUV同士でも、かなり重要な使い勝手面、装備で大きな違いがあることを見逃してはいけない。

 新型ハリアーは、最低地上高がHVで190mm、ガソリン車で195mm。都会派クロスオーバーモデルとはいえ、悪路にも強いSUVと言える。ちなみにRAV4の最低地上高はHVで190mm、ガソリン車でグレードにより195~200mmだから、極端な違いはない。ただ、先にも触れたように、4WDシステムで優位なのは(より悪路に強いのは)、RAV4のダイナミックトルクベクタリングコントロールを備えたアドベンチャーグレードになる。それ以外のグレードになると、走破性に関しては、大きく変わらない。

 もちろん新型ハリアーには、ボイスコントロールで「空を見たい」と発声すると、自動で調光パノラマルーフが瞬時に透過モードになり、ダークガラスのようなパノラマルーフが障子越しのような透過ガラスルーフに変身。さらにデジタルルームミラーに、トヨタ初の前後ドライブレコーダー機能を持たせていて、それらはRAV4に望めない装備のひとつと言える(今後、RAV4にも装備される可能性はあるが)。

 トヨタセーフティセンスやSOSコールはRAV4、新型ハリアーのどちらにも標準装備されるから、実用装備の充実度、新しさでは新型ハリアーが優位と言える。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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