ヴェルファイアは実際どうなの? おすすめのカスタムも紹介

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マイナーチェンジ後、人気急落のなぜ?

 LLクラスミニバンにおいて、確固たる地位を築き上げたアルファードとヴェルファイア。豪華さと優れたパッケージでミニバンというジャンルを越え、いまや高級サルーンとして認知されるようになった両車だが、2017年12月に行われたマイナーチェンジ後に異変が。デビュー以来、高い人気を保っていたヴェルファイアの販売台数がアルファードに大きく引き離されてしまったのだ。この逆転現象はなぜ起こったのだろうか。

見た目の豪華さに差がついたヴェルファイアの末路……

 2020年5月の登録車販売台数を見ると、アルファードは前年比111%の5750台を売り上げたのに比べ、ヴェルファイアは同比51%減の1378台。登録台数は4倍以上の差がついてしまっている。

 この逆転現象の原因は、一にも二にもマイナーチェンジでの意匠チェンジにあることは間違いない。

 マイナーチェンジにより、両車ともにより迫力を増したフロントマスクがより目を惹く意匠チェンジとなったが、その変更テーマはそれぞれ方向性が異なっている。

 アルファードはグリルを30mm延長し押し出し感や迫力が増すとともに、縦横バーの構成に工夫を凝らし高級感も大幅にアップさせることに成功。

 一方のヴェルファイアは、ワイド&ローを強調するとともにフロント部のメッキ加飾面積が拡大。同車の特徴である二段ヘッドランプは、下段にLEDのクリアランスランプを装備したことで、2段ともに点灯されるようになった。この結果、ギラギラ&ゴージャス感がさらに向上している。

 マイナーチェンジ前、キャラクターが近づいてしまった両車本来の “らしさ”を強調し差別化を図ったデザイン変更だったが、こと高級感という点では立体感を増したグリルを備えたアルファードがヴェルファイアに差をつけた。この差は335万円から738万円の高価格帯に属する両車のユーザーにとって大きかったといえる。価格やグレード体系に差がない2車にとって、見た目の差がそのまま、販売台数の差となっているのではないか、筆者はそう判断する。

マイナーチェンジでV6エンジンを一新

 アルファードとヴェルファイアの現行モデルは2015年1月にデビュー。「大空間高級サルーン」をキーワードに開発された両車は、見た目でキャラクターの違いが表現されている。アルファードは“豪華勇壮”、ヴェルファイアは“大胆不敵”、すなわち厳つさを強調したスタイリングに仕立てられた。

 ただし、エクステリア以外で両車の差は少ない。アルファードの主要諸元は全長4945〜4950mm×全幅1850mm×全高1935mm(ハイブリッド仕様は1950mm)。細かな違いとなるがヴェルファイアの全長はアルファードより短い4935mmとなる。この差はフロントグリルの出っ張りによるものだ。ホイールベースは3000mm。また車両重量は2000〜2240kgとなる。

 パワーユニットは両車ともに3タイプを用意。最大出力182psの2AR-FE型2.5リッター直4エンジンをはじめ、最大出力301馬力を誇る2GR-FKS型3.5リッターV6エンジン、2.5リッター直4エンジン+モーターが組み合わされたハイブリッド。V6エンジンは2017年のマイナーチェンジで直噴+ポート噴射D-4S付きに一新された。

 ガソリン車は各グレードにFFと4WD仕様が用意され、ハイブリッドはリヤをモーターで駆動する全車電気式4WDとなる。

 また、直4エンジンにはCVT、V6エンジンには8速AT、ハイブリッドにはE-CVTのトランスミッションがそれぞれ組み合わされる。

 サスペンションはフロントがマクファーソン・ストラット、リヤがダブルウイッシュボーンを装着。マイナーチェンジにより、乗り心地が改善されたと好評だ。また、同マイナーチェンジでV6エンジン搭載車のフロントブレーキが17インチへと大径化された。

 このマイナーチェンジの大きなトピックスとして、新世代の先進安全装備の採用がある。アルファード、ならびにヴェルファイアの泣き所とも言えた安全装備の拡充は、クルマの魅力が大きく増したどころか、全方位に隙のなさを備えたといえる。

 また、両車ともに標準ボディとエアロボディの設定がある。乗車人数も7人乗り、6対4分割チップアップシートを備得た8人乗りをそれぞれ用意。基本は2列目シートが独立している7人乗りがメインとなるが、ベーシックモデルにはリラックスキャプテンシート、固定式アームレストや電動リクライニング&オットマンを備えたエグゼクティブパワーシートが装着される。さらに最大1160mmのスライド量を誇る助手席スーパーロングスライドシートを含めシートタイプは合計4種類が備わる。

 マイナーチェンジで標準ボディのみの設定だった豪華仕様“エグゼクティブラウンジ”がエアログレードに設定されたことも合わせて、両車はさらに富裕層御用達車としての地位がより高まったといえる。

 姉妹車ゆえに、基本スペックの違いは大きくないどころか、それぞれグレード名は異なるもののエンジンや装備、価格は共通だ。

アイコンを強調したヴェルファイアの外観

 2車で大きく異なっているエクステリアについては先に述べたとおり。さらにその違いを細かく見ていこう。

 マイナーチェンジで両車の肝といえるフロントグリルの意匠変更が行われたが、標準ボディとエアロボディそれぞれのデザインも異なっている。ともにエアロボディはワイド&ローを表現するもので、グリルだけでなくバンパーコーナーに目がいく工夫がなされた。

 アルファードのエアロボディはグリル面積を増やした上でメッキ加飾バンパーコーナーを装着。

 同じくヴェルファイアのエアロボディはさらにアグレッシブにサイドグリルの存在感を目立たせた。アイデンティティとなる二段式ヘッドランプとともに二段構えにしたヴェルファイアのグリルは、他のクルマとは一線を画する存在感を備えており、この雰囲気を好むユーザにはたまらない仕上がりだろう。

 またリヤも、メッキ加飾されたセンターガーニッシュがコンビネーションランプを貫通し、フロントに合わせた二段構えとなっているのがアルファードとの違いとなる。

カスタムで追求するならさらなるギラギラ感

 先に記したよう、MC後のヴェルファイアはメッキエリアを拡大し、アクの強さを一層増した。であれば、ギラギラ系の見た目をカスタムでより強調し、他の追随を許さないほどの外観にしたい。

 とはいえカスタムパーツは数え切れないほど出ている。が、リセールを考慮し純正パーツを選びたい。とくにお勧めしたいのがMODELLISTAのエアロキット。

 なかでもオリジナルにはないエアダクト下部までメッキ化、さらに32mmローダウン化されるフロントスポイラーは外したくない。合わせて、リヤスカートとスポーツマフラーがセットとなったリヤスタイリングキットも装着したい。

 その他、同シリーズはメッキ化されたサイドスカートもチョイス可能。これらがすべて選択する場合は、お得なセット価格となるMODELISTA エアロキットが用意されている。

 ヴェルファイアユーザーとはいえ少しでも品が良く見られたいユーザー向けにも純正エアロパーツが用意されている。一押しはエアロボディ、ノーマルボディそれぞれに設定されたDRESS UPシリーズ。

 LEDフロントガーニッシュ(エアロボディ用)をはじめ、バックドアガーニッシュ、アッパーサイドガーニッシュは程よいメッキがアクセントとなっている。メッキパーツは装着したいが、ギラギラ感は抑えたい、というユーザーにはピッタリだ。

 また、メッキドアミラーカバーやリヤライセンスガーニッシュなども合わせたい逸品。同シリーズもお得なパッケージとなるメッキガーニッシュセットが用意されている。

 また、外観をスポーティに仕立てたいユーザーにはTRDのエアロパーツに注目したい。

 エアロボディ&ノーマルボディ向けが用意された同シリーズは、エアロパーツはもちろん、19インチアルミホイール&タイヤセット、パフォーマンスダンパーセット、さらに赤色に装飾されたプッシュスタートスイッチまでがラインアップされている。

いまが買い時! 中古車相場は大幅下落中

 ヴェルファイアの中古車を狙っている方はいまが買いだ! 同車の中古車平均価格は昨年末から約40〜50万円近く下落している。

 この要因は緊急事態宣言の発令など新型コロナの影響によるもの。ただ、ヴェルファイアの相場下落は国内ユーザーの購買力が落ちたことだけでなく、中古車の輸出がストップしている影響も大きい。

 アルファードとともにヴェルファイアの中古車は海外、とくにインドネシアを中心とした東南アジアで人気が高い。

 実際、筆者はインドネシアの首都ジャカルタで現地中古車業界のドンと言われる人物が、実車を見ることなく日本から訪れた中古事業者が持参した在庫リストだけを見て、現地ユーザー好みの仕様があれば即契約する現場を目撃している。

 新型コロナの影響で海外へ輸出する見通しがたたないなか、供給過多が続くと見られるヴェルファイアの中古車は当面、リーズナブルに購入できる状況が続くと見られる。

ヴェルファイアの行く末はいかに

 デビューから約5年経過したヴェルファイアだが、ぼちぼち次期モデルの噂も流れてきている。ただ、販売チャンネルの一本化を決めたトヨタの販売戦略によりアルファードと統合されるとの見方が強い。いずれにしろ、他にない世界感を有するヴェルファイアを手に入れるには、いまがその時だと断言する。


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