大人気のSUVやミニバンの難しさ! 運転に「不慣れ」な人が「背の高い」クルマに感じるデメリット5つ (1/2ページ)

運転初心者や不慣れな人では戸惑ってしまうことも……

 今や国産・輸入車合わせて常に50種類以上のモデルが揃い、多彩なデザインや価格帯から選べる大人気カテゴリーとなったSUV。その大きな特徴のひとつが、「車高が高い」「アイポイントが高い」ということですね。また軽自動車やミニバンでも、アイポイントを高く設定しているモデルも多く、セダンやスポーツカーなどのように低いモデルは少数派となっています。

 今まさに、SUVに乗り換えを検討している人もいるかと思いますが、ずっとセダンなど車高が低いクルマに乗ってきた人が、初めて車高の高いクルマに乗ると、ちょっと怖いなと感じることもあるのです。今回はそんな、車高の高いクルマに慣れていない人が感じやすい、5つのデメリットをご紹介したいと思います。

1)セダンやクーペなどに比べて死角が多い

 まずひとつ目は、運転席から近い場所の死角が増える場合があること。確かにSUVの車高の高さ、アイポイントの高さは、高速道路や渋滞などで遠くの見通しがよく、同乗者もまわりの景色がよく見えて開放的ですね。でも、ミニバンのようにボンネットを短くしているクルマだとそうでもないのですが、SUVの場合はしっかりとボンネットが長く残ったままリフトアップしている状態なので、その分、助手席側の前輪周辺に大きな死角ができてしまったり、バックをする際にも左右後輪の周辺あたりは目視での確認がしにくくなっています。

 ポールや縁石、低い看板などがあっても見えにくく、身長が低い子供がいても気がつきにくい場合も。今まで乗ったクルマでは見えていた場所が見えないというのは、どれだけ運転に慣れている人でも怖いものですね。360度ビューのカメラなどを装着して、画面でしっかり見えるようにすることと、第三者に外から見てもらうなどサポートをお願いし、死角をなくして安全確認することをオススメします。

2)ブレーキング時の荷重移動での姿勢変化

 ふたつ目は、よほど丁寧にブレーキをかけないと、前のめりになって怖いと感じることです。車高が高いということは、それだけクルマの重心も高いということ。重いものが高いところにあるとバランスがとりにくく、一度前に動いたら止めるのも時間がかかるのと同じで、車高が高いクルマのブレーキをバンッと強く踏んでしまうと、車体のルーフの方から前につんのめってしまうような感覚になりがちです。

 ドライバーはまだハンドルを握っているのでそれほど不快には感じなくても、同乗者はブレーキのたびに大きく前後に体が揺すられることになり、不快です。クルマ酔いの原因にもなりますので、緊急時の急ブレーキ以外は意識して丁寧に、停止したい場所よりずっと手前からじんわりとブレーキをかけていくことを心がけるといいでしょう。

3)コーナリング時に車体の傾きが気になる

 続いて3つ目は、やはり重心が高いことでカーブでの横揺れや沈み込みが大きくなり、怖いと感じる場合があることです。右に曲がろうとハンドルを切ると、左側のタイヤに荷重がかかるわけですが、重心が高いとこのときの荷重移動に少し遅れが生じ、かつ勢いよく荷重がのっかってくる感覚になりがちです。

 サスペンションのセッティングや、タイヤの特性、空力性能の改善などで少し抑えることも可能ですが、どうしてもセダンやスポーツカーのようにとはいかないでしょう。山道や高速のICなどタイトなカーブが続くところでは、とくにスピードを控えめにして丁寧なハンドル操作が必要になると思います。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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