コロナ禍で自動車トラブルにも変化! 今夏JAFの出動理由で増加中の「バッテリー」の不具合とは

10分以下の走行ではうまく充電されず傷めてしまうだけ

 ロードサービスを行っているJAFからは、出動理由のデータが細かく発表されているのだが、見ていて最近気になることがある。それがバッテリー関係のトラブルが増えているということ。たとえば2019年と2020年の6月の出動理由のデータ(一般道と高速道路合計)を見てみると、1位は過放電バッテリーで、5位に破損/劣化バッテリーが来ているのはどちらも同じではある。気になるのは全体に対する構成比で、2019年6月は35.52パーセントだったのが、2020年6月には40.16パーセントにまで上昇している。これは6月に限ったことではなく、最近顕著になっている傾向と言っていい。

 理由はなにか? やはりここにも新型コロナの影響が及んでいるようだ。3密を避けるために、クルマの利用を増やしたいというデータがある一方で、サンデードライバーを中心にして利用機会が減っているのが原因とされる。つまり放置していて上がってしまったり、放置している間に端子の腐食などが進むことも考えられるだろう。いずれにしても、バッテリーは走ってこそ内部が活性化されるので、走らないのは非常によくないことになる。最新のクルマでは、充電制御やアイドリングストップ対応でバッテリーへのストレスは増大するばかりだ。

 トラブルを防ぐためには、定期的な点検がまず基本。バッテリー全体を見て、亀裂やヒビがないか。端子は汚れていないかなどを見る。また液量が確認できるタイプなら確認して、ない場合で上部に付いている充電状態を示すインジケーターで、状態を見ておく。

 いずれにしても、放置すると自然放電して次第に溜まっている電気は減っていくので、長い間乗らないなら定期的な補充電は日常メンテとて必須だ。余裕があれば、近所を30分ぐらい回ればいいし、ソーラー式の充電グッズを使用すれば消耗速度を遅くすることができる。ちなみにバッテリーへの充電は化学反応を使用しているので、10分以上は走らないと始まらないということは覚えておくといいだろう。ちょい乗りの繰り返しがバッテリーを痛めるというのも同じ理由だ。

 ATがほとんどになり、MTにしても押し掛けができない最近のクルマでは、バッテリーが上がれば始動不能になってしまう。JAFについては、コロナ禍でも通常通りの対応としているが、出動せず接触を減らした方がお互いにいいに決まっている。ちょっとしたひと手間がバッテリーの適正に維持できるので、ぜひ日ごろから気にかけてあげてほしい。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

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