新型スズキ・ハスラーは内装が魅力? クロスビーやダイハツ・タフトと比較 (1/2ページ)

見た目の変化が少ない新型! 進化したのか、していないのか?

 2013年に登場するやいなや、軽自動車界に新風を巻き起こしたハスラー。軽クロスオーバーというジャンルで不動の地位を確立したハスラーは2019年12月24日に初めてのフルモデルチェンジにより新型モデルに一新された。

 ぱっと見、新型は「先代となにが違うの?」と感じるほどキープコンセプトなデザインを採用し登場したが、先代モデルからどのように進化したのだろうか。

充実の安全装備と使い勝手が向上した新型ハスラー

 一見、先代と大きく変わらなく見えるエクステリア。ヘッドランプやフロントグリルの形状を踏襲したことがその理由だが、細部のデザインはかなり違っている。

 見た目の大きな違いは、ルーフを伸ばし垂直レベルにまで立てたテールゲート。テールゲート前にクォーターウインドウを追加し、その部分やルーフをボディや他のピラーと塗り分けるなど個性的な配色を施し、力強さが増した。

 ただエクステリアより、インテリアのほうが先代からの違いがより大きい。

 メーターとモニター、アッパーボックスの3カ所をそれぞれフレームで囲むユニークな造形を採用したことが注目ポイントといえる。

 これはオフロードメインのジムニーとは違い、日常使いとアウトドアを両立するハスラーならではの“タフさ”を表現したものでアウトドア時計を連想させる。内装色はブラックを基調にボディカラーに合わせ3タイプ用意されるが、オレンジやブルーの差し色が用意され、ギアっぽさを強調した。

 エクステリアが先代モデルと比べボクシーになったため一見大きくなったかに見えるボディサイズだが、全高が15mmアップした意外、全長と全幅は軽自動車枠いっぱいのサイズを踏襲。サイズアップしたように感じるのは、6ライトとなったサイドウインドウやリヤピラーの傾斜がたったことで視覚的に大きく見えることがその要因なのだろう。

 ただ、ホイールベースは2460mmと先代比35mm延長した。延長分はフロントのオーバーハングを短くすることで可能としている。

 興味深いのが、全高を高くしたにもかかわらず、着座位置(ヒップポイント)が先代比マイナス7mmとやや低くなっていること。これはフロントシートのハイトアジャスターの可動範囲が広がったことで頭上の余裕を確保することや、乗降性を考慮した変更だと思われる。ただ、着座位置が低くなったとはいえ、フロントガラス上部の設計を工夫したことなどにより視界は広がっていることに注目したい。

 軽自動車サイズの絡みで改善することが難しいパッケージングだが、新型は細かい部分で改善を試みている。

 その一つがフロントシート。従来のベンチ式からセパレート式に変更したことでシート間のスペースを確保。そのスペースにはトレーを配することで、小物類をおくことができるようになった。

 シート自体も骨格が登録車ベースの仕様となり、座面や背もたれ幅が拡大。先に述べたようにハイトアジャスターの可動範囲を先代より約1.5倍拡大するなどゆったり座れるシートとなっている。

 前席のみならず、後席やラゲッジルームの使い勝手も向上した。前後席の座席間距離は先代比35mm拡大。足下の余裕が大きく向上している。また、着座位置は前席とは違い先代比5mm高くとった。これにより、後席パッセンジャーの快適性や見晴らしが大きく向上した。

 また、ラゲッジに20.3Lの床下アンダーボックスが追加された。クルマのキャラクターを考えると、むしろ先代モデルに装備されてなかったことに驚く。

 パワーユニットについては、新開発のNAエンジンを搭載したことが大きなトピックスといえる。新開発657ccR06D直3エンジンは、最高出力49馬力、最大トルク5.9kgm。熱効率の向上を大きなテーマにかかげ開発したこのエンジンは、吸気流域が高まるロングストローク型を採用し実用トルクと燃費が向上。燃費はWLTCモードで22.6km/Lを誇る。

 また、先代同様ターボエンジンも搭載されるが、こちらは従来同様。ただし、NA、ターボ含め全グレードがマイルドハイブリッド仕様となっている。

 先進安全装備についても新型は進化している。運転支援システム、スズキ・セーフティサポートを装備するのは先代同様だが、衝突軽減ブレーキが夜間の歩行者に対応可能となったほか、全車速追従機能付きACCを採用した(ターボ車のみ)。車線逸脱抑制機能も追加されたことで安全面はもちろん、運転中の疲労度が大幅に低下することに期待できそうだ。


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