GRスープラのCMの停車したまま「煙モクモク」タイヤの空転! じつはCGじゃなく市販車でも可能だった

技術的には難しくなく4WD以外なら普通のクルマでもできる

「バーンアウト」って、知っているだろうか? いわゆる精神医学の「燃え尽き症候」のことではなく、トヨタGRスープラのCMでも流れている、静止した状態で、ホイールスピンをさせて、タイヤからもくもくと白煙を上げている状態のこと。

 ゼロヨンなどの競技のスタート前に、駆動輪を温め、一番タイヤがグリップする状態にしておくためのテクニック。

 公道はもちろんのこと、クローズドコースでも、許可のない場所でやるのは御法度な行為だが、バーンアウト自体はそれほど難しい技術ではなく、4WD以外なら普通のクルマでもやろうと思えば出来てしまう。

 簡単なのはAT車で、FRならTRC(トラクションコントロール)&VSC(ビークルスタビリティコントロール)をオフにして、左足でブレーキを踏む。ブレーキを踏んだままギヤをLに入れて、アクセルオン。5000回転ぐらいまで回せば、バーンアウト状態になる。

 上掲のGRスープラには、ローンチコントロールがついているので、本来は機械任せで最適最速のスタートダッシュが可能だが、TRCやVSCを解除すればCMのようにバーンアウトを起こすこともできる。

 FRのMT車はもう少し厄介で、はじめにTRCとVSCを解除して、右足のつま先でブレーキを強く踏んで、左足でクラッチを切ってギヤを1速に入れる。

 次にクラッチとブレーキを踏んだまま、右足の踵をずらし、いわゆるヒール&トゥの状態でアクセルを踏んで5000回転ぐらいで固定。ブレーキを強く踏んだまま、5000回転をキープできるようになったら、クラッチを一気に離す! ブレーキをしっかり踏んだまま、これらの操作ができれば、バーンアウトがはじまるはずだ。

 FFの場合、フットブレーキではなく、サイドブレーキを思いっきり引いて、同じようにアクセル操作(MT車はクラッチ操作も)をすれば、バーンアウトになる。

 あとは、「ラインロック」といって、ブレーキのオイルラインを意図的にロックして、駆動輪以外のタイヤだけブレーキがかかる仕組みを使えば、より簡単確実にバーンアウトが可能。

 アメ車のマスタングやカマロには、標準装備でラインロックがついているが、国産車にもアフターパーツで「ラインロック」機能は取り付けられる(工賃込みで10万円未満)。

 もっともバーンアウトは、クラッチやミッション、タイヤなど、クルマに大きな負担を強いることになるし、公道で行えば道路交通法違反になるので、マスターしたとしてもお披露目する機会のほとんどないテクニックになるだろう……。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

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