「自然災害」「コロナでの事故増」「残価設定ローンの普及」で注目される保険の「車両新価特約」とは? (1/2ページ)

全損でなくても新車価格相当額が支払われる

 台風被害が年々甚大なものとなっている。ゲリラ豪雨や豪雪など、近年は自然災害に遭うリスクは高まり、その時の被害は拡大する一方である。そのようななかで地震や噴火に起因する自然災害には使えないが、多くの自然災害により愛車が被害に遭ったときの強い味方が車両保険となる。

 “車両全損時諸費用特約”が自動付帯されるのが一般的となっており、廃車手続きに関する諸費用や、次の新車購入に必要な諸費用の一部はカバーされる。しかし、これはあくまで保険加入車両が”全損”扱いになることがマストとなる。仮に全損扱いにならなくとも、車両に致命的なダメージ(フレーム修正が必要になるなど)を受け、その修復に100万円以上かかるとなれば、車両保険を使って直すことができることもあるが、「新車に入れ替えたいなあ」というのが本音となるだろう。

 そのような状況になったときに強い味方となるのが、”車両新価特約”というもの。この特約で設定した協定新価保険金額の50%以上の修理費のかかるダメージを受けた場合に、新車価格相当額となる協定新価保険額が支払われる特約となる(当然全損でも適用となる)。つまり、全損扱いではなく相当額の修理費のかかるダメージの大きい損傷を受けた場合でも、修理して原状回復して乗り続けるのではなく、新車へ入れ替えることが可能となるのである。

 車両保険では減価償却に基づき、保険金額が契約更改時に減額されていくのだが、新価特約をつけることで”協定新価保険金額”が設定され、減価償却に関係なくいわば新車時価格が維持されることになる。

 たとえば新車時の車両保険金額が250万円とすると、減価償却に関係なく新車時車両保険金額の半額、つまり125万円以上の修理費用のかかる、フレーム修正など甚大な損害が生じていれば、協定新価保険金額が支払われることになる。

 近年、残価設定ローンを使って新車を購入するひとが目立ってきている。ローン支払い途中での全損事故やダメージの大きい事故を起こすと、新車への入れ替えも含め、身動きの取れない状況となるので、身動きがとれるようにと車両保険への加入を販売現場ではより積極化させている。そして、車両新価特約により、さらなるフォローアップが可能となっている。もちろん自動車保険の等級は下がるので、保険料はアップすることになる。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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