何が違う? ドレがいい? トヨタの小型SUV「ライズ」「ヤリスクロス」「アクアクロスオーバー」の悩ましき同門対決 (1/2ページ)

トヨタはコンパクトクロスオーバーモデルを3種類そろえている

 トヨタ車ファンがコンパクトなクロスオーバーモデルを選ぶのは、今では車種展開が豊富で、けっこう悩むところかもしれない。なにしろ、最新のヤリスクロスのほか、ライズ、そしてアクアクロスオーバーがそろっているからだ。とはいえ、各車の特徴、使い勝手を把握すれば、選択はそれほど悩ましいわけではなかったりする。

 では、各車のポイントを紹介していこう。最新のヤリスクロスはヤリスをベースにクロスオーバー化したモデルで、全長4180×全幅1765×全高1590mm。つまり、3ナンバーサイズだが、1765mmの車幅は、今となっては日本の路上でも扱いやすい部類に入る。

 パワーユニットはすべて3気筒で、1.5リッターガソリン、120馬力、14.8kg-mというスペックで、JC08モードより実燃費に近いWLTCモード総合燃費は2WDで19.8km/L(Gグレード)。クロスオーバーモデルとして気になる最低地上高は170mmだ。なお、ガソリン車の4WDには、スノーモードに加え、ダイナミックトルクコントロール4WD、マルチテレインセレクトが加わり、走破性能としてはコンパクトクロスオーバーモデルとしてトップレベルの性能だ。

 一方、HVモデルは1.5リッターエンジン+2モーター、91馬力、12.2kg-m、フロントモーター80馬力、14.4kg-m、リヤモーター5.3馬力、5.3kg-mのゆとりを見せる。2WD、4WDが用意され、4WDはトヨタ自慢の電気式4WD=E-Fourである。

 現在、国産コンパクトクロスオーバーモデルでダントツの人気を誇るライズは、ダイハツとの共同開発車(ダイハツ版はロッキー)。ボディサイズは全長3995×全幅1695×全高1620mmと、5ナンバーサイズに収まり、最小回転半径が4.9m(Zグレードを除く)と小回り性、駐車性、幅寄せ性も抜群だ。パワーユニットは3気筒のガソリンターボ、98馬力、14.3kg-mのみの設定。WLTCモード総合燃費は2WDで18.6km/L(G/Xグレード)。クロスオーバーモデルとして気になる最低地上高は185mmと余裕がある。こちらも4WDはダイナミックトルクコントロール4WDが用意されている。価格は実質的なベースグレードとなるX”S”の174.5万円からと、圧倒的に安いのも魅力となっている。

 以前、世界最高燃費を誇ったアクアのクロスオーバーモデルが、特別仕様車扱いとなっているアクアクロスオーバーグラム。ボディサイズは全長4060×全幅1715×全高1500mmと、3台中、唯一、立体駐車場の入庫が可能。3ナンバーサイズとはなるものの、1715mmの車幅はフェンダーアーチモールの出っ張り部分のため、実質、5ナンバーのアクアと変わらないボディサイズだと思っていい。

 最小回転半径が5.4mと大回りなのは、アクアの開発時点ではなかった185/60R16という大径タイヤを履かせているため。パワーユニットはHV専用車のアクアゆえ、プリウス譲りの1.5リッターエンジン+2モーター、エンジン74馬力、11.3kg-m+モーター61馬力、17.2kg-mのストロングHVのみの設定。WLTCモード総合燃費はクロスオーバーモデルにして27.2km/Lと、ヤリスクロスオーバー、ライズを圧倒する。本格的な悪路に向くクルマではないものの、最低地上高は170mmを確保している。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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