コロナ禍で「輸入車」に異変! 王道ドイツメーカーが苦戦するなか「強さを見せる」マイナー4ブランドとは (1/2ページ)

ルノーは着々とラインアップを充実させている

 コロナ禍によって壊滅的だった自動車マーケットも確実に復活を遂げていますが、やはり年初からのデータは厳しい数字を見せている。輸入車についても、JAIA(日本自動車輸入組合)の統計を見ると、外国メーカーの乗用車は前年比で83.0%(1月~10月累計)となっているし、日本の輸入車シーンにおいて中心的なポジションにいるフォルクスワーゲンは前年比80.2%、BMWに至っては前年比72.6%と明らかに苦戦している。

 そんななか、前年比で100%を超えているブランドもある。数十台レベルであれば突発的な事情などもあり得る話だが、販売台数が4桁のブランドで、コロナ禍の中で前年比を超えているのは本物の人気といえるだろう。何を隠そう、前年比111.0%と新型コロナウイルスを吹き飛ばす勢いで伸びているのが、シトロエンだ。

 その原動力といえるのは、スライドドアのマルチパーパスビークル「ベルランゴ」であることは間違いない。先行して導入されたモデルが好評なベルランゴのカタログモデルの輸入が始まったのは、この秋から。年末に向けてますます人気を加速しそうな輸入ブランドの筆頭が、シトロエンといえるのだ。

 さて、「ベルランゴ」人気のベースを作ったといえるのが、同じフランスの自動車ブランドであるルノー・カングー。現地では商用バン的な位置づけだが、だからこそ自分流にカスタマイズし甲斐があることも人気の秘密で、輸入車の単一モデルでオーナーズミーティングが開催できるほどの人気を誇っている。

 そんなルノーの2020年実績(1月~10月)は前年比87.1%とまずまず健闘しているといったところだが、10月単月でいうと497台の新車登録を記録、前年比120.6%と大きく増えている。さらに、11月からはルノーのエントリーモデルとして5代目に進化した「ルーテシア」も上陸開始。いまやコンパクトクラスとしては貴重な4気筒エンジンを積むルーテシアは、ADAS機能も充実しており、さらに日本市場でルノーが躍進することは間違いなさそうだ。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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