個性豊かな5車種が実質2車種に減少! 中古高騰の「軽トラ」を取り巻く悲しい現実

ホンダ・アクティもまもなく生産終了

 軽トラックは10年ほど前までダイハツ・ハイゼット、スズキ・キャリイ、ホンダ・アクティ、三菱ミニキャブ、スバル・サンバーという個性豊かな本家5車種が揃うジャンルだった。しかし、サンバー、ミニキャブの順に自社製は姿を消し、アクティの生産終了も間近となっており、自社製軽トラックは今年中にハイゼットとキャリイの二強となってしまう。

 自社製の軽トラックがハイゼットとキャリイだけとなり、その他は2台のOEMとなっていった背景を、アクティが生産終了となる事情、理由を掲載したあるホンダディーラーのブログを参考にまとめてみた。

・ピークだった1988年には42万台あった軽トラック市場が、ここ数年18万台程度の縮小。これは農業や漁業といった第一産業の人口減少や高齢化、後継者不足などが原因と思われる

・今年6月から商用車に対しても段階的に排ガスなどの環境、燃費、安全装備といった法規が厳しくなり、その対応には大きな開発コストが必要で、現在の価格での販売が現実的に難しい

 この点に関してアクティは販売台数がもともとハイゼットとキャリイの3分の1から4分の1程度と少なかったのに加え、OEM供給もないため生産台数が稼げないという不利も大きかった。

 まとめるとそもそも薄利多売な商品である軽トラックはコスト的に非常に厳しく、相当の販売台数が見込めないと、商品として成り立たないため撤退もやむを得ないということである。

 個性豊かなモデルが揃っていた軽トラックが二強となってしまうことは寂しいが、それでもハイゼットとキャリイがなくなることはおそらくなく、今後も2台から選択できる状態が続くであろう点にはむしろ感謝をするべきなのかもしれない。

 同時にすでに中古車が高騰しているスバル自社製のサンバーに加え、アクティも中古車が値上がりする可能性も考えられる。アクティは新車をまだ買えるチャンスがあるのも含め、欲しいのであれば早いうちに自分のものにしておくことを勧めたい。


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