いまだEVどころかHVも少ないメーカーもある! 電動化時代に「泣くか笑うか」国産自動車8メーカーの行方 (1/2ページ)

量産ハイブリッドを持たない会社は将来が不安だが……

 地球温暖化対策としてのCO2削減という方針を定めたパリ協定。アメリカでバイデン大統領が誕生すると、さっそくパリ協定への復帰を宣言するなど、CO2削減の方向は大いに強化されたという印象だ。

 地球温暖化に懐疑的な考えの人もいるだろうし、CO2削減という目標に対してクルマの電動化がけっして効果的とはいえないと主張する人もいるだろうが、もはやそうした意見を世界が受け入れることはないだろう。少なくとも今世紀半ばまでに、クルマの電動化によるゼロエミッション、また製造時まで考慮したカーボンニュートラル(実質的なCO2排出量ゼロ)な社会を目指していくという流れを止めることは難しいだろう。

 当面はエンジン車の環境負荷が低いだとか、ロジカルに考えるとハイブリッドカーが最適解という事実をマインドが上まわり、クルマの電動化はどんどん進んでいくはずだ。

 では、そうした時代において国産乗用メーカー8社の未来は明るいのか。現在のラインアップ、公表されている将来技術などをもとに考察してみよう。

 まず、心配されるのは現在のラインアップにおいてハイブリッドカー(OEMを除く)をもたないダイハツだ。軽自動車においても電動化は待ったなしの状況だけに、ローコストなエンジン車に注力するダイハツのスタンスは、いま時点ではベストソリューションといえるかもしれないが、数年後が心配される。とはいえ、すでにダイハツについてはトヨタの完全子会社であり、電動化においてトヨタグループのノウハウが投入されることは容易に想像できるところであり、さほど心配することはないのかもしれない。

 その意味では、すでにトヨタとの資本提携を進めているマツダとSUBARUの両社においても、けっして未来が暗いわけではない。たしかに現行ラインアップでいえばマツダの電動化というのはISGを使ったマイクロハイブリッド程度であり(かつてはトヨタハイブリッドシステムを採用したこともあった)、またSUBARUにしても薄型モーターをCVTケースに収めたマイルドハイブリッドを用意するのみで、市販車においては電動化に積極的という印象は薄いかもしれない。

 しかし、マツダはトヨタやデンソーと共同出資した電気自動車の開発会社を立ち上げ、すでに2020年6月に目的を達成したとして解散しているし、SUBARUはトヨタと共同開発しているミドル級SUVの電気自動車のプロトタイプを発表している。ユーザーイメージより両社の電動化への取り組みは進んでいる。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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